ちょうど1年前、何かの拍子に「来年の祇園祭(前祭)は宵々山・宵山・山鉾巡行が土日祝やん!」と気づきました。僕はかなり前に宵山に行ったことがあるけれど、妻は未経験。週末なら都合がつきそうだし、どうせなら泊まりがけでと思って検索してみたら、2人で1泊1万円の宿が見つかったので取り急ぎ予約。仕事の都合も何とかついて、1年越しの計画が実現しました。
7月16日日曜日・宵山の日のお昼頃、四条河原町に到着。烏丸方向にかけて混雑しているのはわかっていたので、とりあえず祇園方向に逃げました。見慣れた街並みもあちこち祇園祭モードで、特別な日の空気感がありあり。
それでなくても京都の夏は暑い・日曜に加えてお祭りだから人だらけ・いつ凄まじい豪雨がやって来るかわからない、なんてことは覚悟の上。それでもやっぱりあづい〜・人多い〜・どこで昼ご飯食べられるんやろ〜
人混みを避けようととりあえず四条通から北方向へ逃げたら、お、「いづう」があるじゃないですか。創業以来200数十年、言わずと知れた鯖姿寿司が名物の超老舗。僕は何度か行ったことがあるけど久しぶり、妻は初めてってことで、とりあえずトライとガラリ戸を開けてみました。
幸い先客は2組ほどで、入り口で待たせてもらうことにしました。超有名なのにそんなに混んでないなあと思いきや、このあと続々とお客さんがやって来て待つなら外でだったので、あきらめる方々多数。たまたまタイミング良くてラッキーでした。
メニューは鯖姿寿司以外に、季節ものも含めて色々。ランチにしては贅沢な気もしますが、それなりの寿司屋で食べることを思えば、トータルでみて充分価値ある内容だと思います。
お店はそれ程広くなく、席数も少なめ。でも、相席をさせず一人客でもゆったりと味わえるところが老舗の余裕というか気遣い。外は暑くて騒がしくても、ここはほっと心静まる空間です。
席について程なく現れた、京寿司盛り合わせの姿が美しい。玉子と海老・鱧の焼き身・小鯛の箱寿司は、工芸品のように巧みで端正、器もそれに負けじと華やぎがあります。
反対側には太巻きと鯖姿寿司。ぱっと見ではそれ程ボリュームはありませんが、食べてみればそれぞれの凝りよう・深さ・絶妙な味のバランスが感じられて、この一皿で充分完結しています。めっちゃ久しぶりだけど、こんなに旨かったのかなあ、特に酢飯がめちゃうま。
暑かったのでビールが欲しかったんだけど、置いてないのでお茶だけにするつもりでした。でも余りの旨さに、これはお酒なしはもったいないと冷酒をオーダー。酢飯だけでも充分アテになります。
続いては、まるで箱庭のような京ちらし寿司。錦糸玉子の上に散りばめられた、海老・鯛・いか・きくらげ・木の芽の色合いが美しい。
基本となる酢飯が美味しいので何食べても美味しいんだけど、驚いたのは錦糸玉子の細さ。単に見た目だけではなく、口に入れた時の綿のようなふんわり感が、ネタや酢飯に独特の食感をプラスしてくれます。ううむ、なんちゅうか、よく考えられているというか巧妙というか、さすが京都は深い。
超有名店ゆえあまりにベタな選択かなあと思いつつの入店でしたが、久しぶりに食べてみてこんなにもおいしかったのかと、恥ずかしながら再認識。ベタでもなんでもいい、また来たいと強く思いました。一皿一皿にどれだけのものが詰まっていることか、あな恐ろしや。(そりゃそうどす、うわべだけでは200年以上は続きまへんえ〜)
{お店データ}
住所:京都市東山区八坂新地清本町367
電話:075-561-0751
営業時間:[月〜土]11時~23時 [日・祝]~22時
定休日:火曜 (祝日を除く)
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