注:今回のエントリは写真が多くて長いです。
飲み食い仲間のこばやしさんから「伊勢市の山中の、車じゃないと行けない鰻屋にえて吉さんと一緒に行きませんか」とのお誘いがありました。
予約不可・10時半開店・土日はもちろん平日でも出遅れると相当待つらしいとの事前情報により、目指す到着時刻は開店1時間前。車で拾ってもらう場所まで電車で僕がたどり着くには4時半起床になるけど、鰻のためならなんのその、喜んで参加させてもらいました。
いちおう地図を貼り付けておきますが、縮尺変えないとどこなのかさっぱりわからないはず。位置的にはざっくり伊勢神宮の南西方向にあたります。(あまり参考にならないですが)
目的の「横輪おりおり」に到着したのは9時20分ごろ。さすがに平日のこの時間なら先客はおらず、一番乗りでした。写真手前側が駐車場、中央が店舗の右側面です。
左側に回り込むとお店の正面、右が調理場で左の小屋?が飲食スペース。当然まだ準備中でしたが、人の気配を感じて窓口をあけて注文を訊いてくれました。料金を先払いすると、フードコートなんかでよくあるアラームを渡してくれ、駐車場で待ってたら時間になると呼び出してくれるシステムでした。これだったら混み合ってても行列しなくてもいいので助かりますね。
申し訳ないけどえて吉さんは車の運転があるのでアルコール抜き。こばやしさんと僕は当然ビールに、白焼を半分ずつシェア。丼をどれにするかだいぶ迷ったけれど、僕は半尾載せの「蛍」に、肝焼き載せすることにしました。
開店まで1時間あるので一旦車で移動してもいいのですが、その間に駐車場がいっぱいになると困るので、周囲をぶらぶら。といっても徒歩では近くの郷の恵「風輪」くらいしか行くところがなく、後はひたすら周囲の風景を楽しんで過ごしました。
10時ちょい過ぎくらいには、あと2、3台車が増えてきて、さすがにぼちぼちやって来始めたなと思ったら、開店時刻の少し前の10時15分くらいにアラームが鳴って、お店に入れてくれました。
一番乗りなのでどこでも選び放題。3人だったので、手前左の4人がけテーブルにさせてもらいました。なんかしら香川の辺鄙なところにあるうどん屋と共通するものを感じます。
お店を営まれているのはまだ若いご夫婦で、奥様が裂きと串打ち、実家が鰻屋で小さい頃から店を手伝っていたという旦那様が焼き担当。店の横を流れる「横輪川」の水が、この場所で鰻屋をやる理由だったのですね。「ここより上流に民家がない」ってすごいな。
使用しているのは「青鰻」。これを使って「割(さ)きたて・(串を)打ちたて・(紀州備長炭使用の)焼きたて」の「三たて」で出したい、と水から焼きまで抜かりなしの理想追求度が半端ないです。
席についてほどなく、見目麗しい白焼き(3300円)登場。持って来てくれた瞬間から、今まで嗅いだことがないほどのいい香りを放っています。いきなり強烈なパンチを喰らった感。
白焼きは、鰻のおいしさがストレートに楽しめます。表面の焼き目・火の通り具合・脂の乗り方・適度な皮の焦げ加減、なによりその川魚らしい品のいい香り。わさびとタレをちょいとつけて、こりゃもうパーフェクトな絶品。強いて言えば日本酒があればなお良かったですが、記憶にある限りダントツ一位の白焼きでした。
続いては「鰻丼・蛍(2000円)」に、肝焼き載せ(600円)。
鰻が半尾とはいえ、それでも丼をほぼ覆うくらいボリュームたっぷり。吸い物には肝は入っていませんでしたが、肝載せにしたので問題なし。ちなみに、僕らが食べ終わってお店を出た頃には肝は売り切れていました。
ここに来る前に予習した限りでは、タレはあっさり目の甘めだと思っていました。確かにあっさりめでしたが、甘さは思っていたほどではない。タレの量は控えめなので好みによっては追加すればいいし、蒲焼をおいしく味わうために、まずはこのあっさりめのタレを控えめで食べて欲しい、という意が込められているのだと思いました。
白焼きも抜群だったけど、こっちも抜群。厚みも適度で(分厚ければいいというものではない)、関東風の蒸しが入った鰻もおいしいけれど、条件が整うのであれば、やはり地焼きのほうがシンプル&ストレートに鰻を味わえるということを改めて強く感じました。
- 僕らが店を出る頃(11時前?)には駐車場はほぼいっぱいで、そのくらいの時間に来た人は多分3巡目くらいになるのではないかと思います。平日でこれ。
- 周りに何もないので、待ち時間を過ごす準備をしておくといいです。本を持ってくるとか飲み物を用意しておくとか。
- 他のお客さんの注文を見る限り、特大一尾の鰻重「おりおり」が人気のようでした。
- 車の運転が必須なためか、思ったほど白焼きの注文がありませんでした。これはもったいない。
- なかなか来れる場所ではないし、内容からするとめちゃ安なので、メニュー選択は後悔のないよう思い切って。
- 今回は白焼きを半分と肝載せをしたので、鰻丼は半尾の梅にしましたが、理想的には鰻丼は3/4尾くらい食べたかったですw
- 3/4尾は無理なので、次回来たら白焼き半分と桜(一尾)かなあ。
雨模様の予想もありながら、幸い天候にも恵まれてラッキー。午前中からおいしい鰻をいただいて、なんちゅうか幸福感がいっぱいで、もうこの日の食事はこれでいいやと思えるほど満ち足りた気分でした。(乾きもの程度のアテで飲みましたが)
ビールが飲めないにも関わらず車を運転してくれたえて吉さんと声をかけてくれたこばやしさんに深く感謝します。
やっぱり鰻はおいしいなあ。
コメント