お楽しみの夕食は、部屋での食事か、宿の玄関を出てすぐ左手にある茅葺き別棟内の囲炉裏端かを選ぶことが出来ます。囲炉裏は一つしかなく宿泊客は一日二組だけなので、先客が選んだら二組目は自動的に残りのほうに決まりとなるんですが、せっかくなので若干料金が高くなる(500円!)のを承知で、囲炉裏端を予約しておきました。
通されて、思わずおおっと声が出ました。おっさん2人にはもったいなさ過ぎる風情あるスペース。囲炉裏の端っこと窓側にえて吉さんと僕の席が用意されているだけで、余裕たっぷり。確か最大で8人利用できると伺った記憶があります。
まずは、もずくの酢の物・刺身こんにゃく・鰺のたたきでビールからスタート。
鰺のたたきの盛りつけを見ただけで、こりゃ間違いないと確信しました。
予め軽く火を通した焼き魚が、炭火にセットされました。ひょっとしてと思いながら確認したら、のどぐろ。写真ではわかりませんが、サイズも身の厚さもすごくて、こんなの見たことありません。
早々と日本酒を注文。焼きたての塩焼きを何もつけずにそのままいただく贅沢。これだけでも充分にメインを務めることが出来るんじゃないかと思えるほどの存在感でした。
炭火で焼いただけの揚げに、ちょろっと醤油をかけただけなのに、すごくうまいんです。揚げのタチの良さもあるんでしょうが、醤油もうまみとコクがあってアテになるくらい。ご主人に訊いてみたら、島根県奥出雲町の井上醤油店のものなのだとか。気に入ったので帰りに探しまくってやっと見つけて買って帰ったら、我が家の近所のスーパーのこだわりコーナーに置いてあったので、腰が砕けてしまいましたw
鶏(手羽)はこんな感じ、塩の下味だけでそのまま。皮の焼け加減見ただけで、ものすごくおいしそうですよね。
シンプルで力強い素材の旨味に充分満足していたら、三瓶牛のローストビーフが登場。丸めてお皿の上に載っているのでそう大した量には見えませんが、広げてみたらそこそこのボリューム。これも醤油をちょこっとつけるだけで充分、というか余分なことは必要なし。
〆は大粒シジミのお澄ましに、お漬け物とご飯。お腹一杯でもこういうのは簡単に胃に収まります。
こちらの宿は、山の中・川のそばなのでその手のものはもちろん、境港などの漁港からも近いので、四季折々いろんな素材が手に入るんですね。その上、十四代目のご主人は京都の料亭での修行経験もあるので、もうこりゃあ鉄板。雰囲気も抜群で大満足の炉端料理でしたが、部屋食も食べてみたい、でも季節が違えば素材もまた変わってくるしと、何度でも来たくなって困ったことですw
食事の後、部屋に戻って一休みして温泉に入ってまた飲んで就寝。翌朝起きたらピーカンのいい天気。さっそく朝風呂に入って、朝食に備えます。
お味噌汁の具は、玉ねぎとじゃがいも。写真一番上の鰯の醤油煮は、きりっと辛目の味付けで少量でもご飯がバクバクいけます。こういうの食べるとまた飲みたくなってしましました。
で、この一泊二食の料金(囲炉裏端での夕食プラン・飲み物代別途)なんですが、一人当たり12,500円にサービス料10%、入湯税150円で、合計13,900円。温泉は源泉掛け流しでいつでも入れる・宿は風情あり・料理も充実で、すごいコストパフォーマンス。季節ごとにリピートされる方もいらっしゃるとのことで、そりゃ近くにこんなとこあったら年に何回でも来たくなることでしょう。我ながらこれはめっけもんの宿でした。
僕らみたいな雪に慣れてないものが冬に車で来るのはちょっと難しいでしょうが、その時期の料理にも大いにそそられるものがあるし、寒い時期の温泉もまた格別でしょう。宍道湖側の木次駅からバスで来ることも出来るので、いつかそのルートでも来てみたいものです。どうもお世話になりました。
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