僕の父親の世代からすると、かつての神戸一の繁華街は新開地。僕ら世代にとっては、現在ラウンドワンがある場所にあった聚楽館(シュウラクカン、あるいはシュウラッカン)の記憶に繋がります。
*参考リンク:新開地ファン/”新開地”まちの変遷
現在のラウンドワンの裏側・北側の路地の西入口に上の写真のような表示があります。(エントリ内の写真はクリック二度で大きくなります) かつての聚楽館にちなんで名付けられた「聚楽横丁」一帯は、今なお昔ながらの雰囲気を感じられるゾーン。
その看板から東へ進むとすぐに現れる「割烹大力」。昭和28年創業・新開地2丁目から現在の場所に移転・ちゃんこ鍋/てっちり/てっさ/会席料理などのお店です。お店のマークにまわしが使ってあるので、ああちゃんこをやってるんだとすぐにわかります。…ただ、その場に行ってみるとよくわかるんですが、どうも一見ではかなり入りにくい雰囲気。
このままじゃあって思ったんでしょう、「祖父が創業し父が継いだ店をもっと親しみあるものにしたい」と、現店主の娘さんが月一で「喫茶大力」を始められたのが4年前の5月。そして10月にはお昼の定食がスタートしました。
このお昼の定食がかなり良さげなのは、2年以上前から訊いていました。自宅から徒歩10分くらいなもんで、例によっていつでも行けるわと思ってたり来てみたらお休みだったりで、ほんとに「やっと来られた」って感じでした。
ガラリ戸を開けると、店内はカウンター席と小上がり席がいくつか。いい意味で明るすぎない店内は年代を感じるシブイ雰囲気。カウンター席前のメニューを見ると、夜はどんなだろうと来てみたくなります。…って思わせるところが昼営業のひとつのテーマなんでしょうが、かなり効果的なプロモーションになっていますね。
長年使われてきたものなんでしょう、可愛くて凝った箸置き。軍配の縄まで細かく細工されて、丁寧な造りです。
平日の13時前だったせいか、お客さんの大多数は女性。旧来のままのお店の店構えなら男性でもちょっと躊躇したでしょうから、イメチェン大成功ですね。
待つことしばしでお昼の定食登場、日替わりの主菜と副菜3品・大力名物そば寿司・だし巻き玉子・香の物・お味噌汁・ご飯。あらかじめ他のサイトで何度も写真は見ていましたが、現物を目にするとこれで880円(税込み)とはほんとに恐れ入ります。
この日の主菜・一口ヒレカツは一口では収まらないサイズがたっぷりで揚げたてアツアツ、大根と薄揚げの含め煮は薄味上品。胡瓜浅漬けもいい塩梅で、どれもきっちり丁寧に作られています。
きれいに焼かれただし巻きの右隣のそば寿司は、そば・椎茸・こうや豆腐・錦糸卵・きゅうりを焼き海苔で巻いたもの。失礼ながら事前にそれ程期待はしてなかったんですが、さすがお店の名物、お世辞抜きでもうちょっと食べたいなと思ったほどでした。
一口カツとおかずちょこちょこつまんで、あとは味噌汁で充分ご飯がいただけてしまいます。こちらのいり豆腐とあっさり豆じゃがなんかも、お惣菜ではあってもアテとしてもイケるんで、ビールをお願いして昼間っから楽しませていただきました。
割烹の料理を安く気軽にたっぷり楽しめて、しかも雰囲気良くて昼飲みも出来る。「なんでもっと早く来なかったんや〜!」とかなり自分を責めるほど、ハゲしくいいお店でした。こりゃあ昼も夜もまた来てみたいぞ。
古くからのお店をカフェ化させ、ランチを出すように変えてしまったw娘さん(プロデュース能力、かなり高いですねw)は、確かイラストの仕事もなさってたと記憶しています。ショップカードもこんなに素敵。5/21からは土曜の夜のみ居酒屋営業されるそうで(行ってみたい!)、次々出てくる展開がとても楽しみです。
{お店データ}
住所:神戸市兵庫区水木通1-2-4
電話:078-575-3133
営業時間:
喫茶:12時〜15時(ランチラストオーダー14時半)
割烹:17時半〜21時頃
定休日:木、日曜日
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