もう1ヶ月ほど前になりますが、シルバーウイーク中に妻と京都へ展覧会を見に行きました。めっちゃ混むのがわかっているので早めに自宅を出発し急いで美術館に向かった甲斐あって、それほど並ばずに済みました。どんどん人がやって来る岡崎ゾーンをあとにし、さて昼ご飯。河原町に出ても混んでるだろうから、春に京都で泊まった時に前を通りかかって気になっていた「ぎをん森幸(もりこう)」に行ってみることにしました。
店名に「ぎをん」ってついてますが、八坂神社より北側で東大路より東側。岡崎と祇園の中間あたりで大通りからもはずれており、お店の前を白川が流れる穴場チックな立地。シルバーウイークまっただ中のお昼時であってもあたりに観光客の姿は見かけず、並ばず入れて作戦成功。
お店に入ってみて、おしゃれな調度にちょっとびっくり。壁一面に描かれた孔雀の壁画はどこかで見たタッチだなと思ったら、春に泊まった「京都トラベラーズイン」と同じく木村英輝さんの作品でした。関空にもこの方の作品があるんですね。この写真を見るとけっこう格式高そうなお店に思えるかも知れませんが、実際の店内の雰囲気は至って庶民的。フロアのおねーさんも元気よくオーダー通してて、気持ちいいくらいでした。
お昼ご飯3種のうち日替わりランチは平日のみなので、初めてのお店ってこともあるし1000円のお弁当にしようかと思っていたら、中華好きの妻が「どうせだったらミニコース(税込2200円)にしよう」と言い出したもんで、これ幸いと採用。まず出てきたのはぱっと見で春巻きかと思いきや「もやしの湯葉巻き」で、おっ、なんかちょっと変わったもんだすなって感じでスタートしました。
続いて「山芋と卵白のとろみスープ」。かなり淡泊な味付けなんだけど、ベースとなるスープそのものがおいしいし、いい器使ってるなあってことで、一気に期待感上昇。
続いての「小海老の板春雨包み蒸し」で当たりを確信、どうっすか、このルックス。タレの海に浮かぶ透き通った物体、それらをびしっと引き締める濃いグリーンの器。小海老と板春雨、薄味のタレとのマッチングよし。ビール飲みながらのランチでしたが、これは紹興酒が欲しくなってきました。
「若鶏ときのこの炒め」にはアンがからまっており、舞茸のシャクシャク感ととろみの対照的な食感が楽しい。鶏も良かったけど、この料理の主役は舞茸ですな。
ここまではスタンダードな料理はなかったのに、ここでいきなりド定番な「酢豚」。これは僕の好みでしたねえ。揚げ加減やや深めな豚肉にからまるアンが、しつこくない程度に濃く酢にコクがあって甘味控えめ。久しぶりに旨い酢豚を食べたなあという気分でした。
仕上げは炒飯なんだけど、蓮の葉に包まれて出てきます。こちらは開いたところ。恐らくは、炒めてから包んでおいて蒸せばサーブできるので扱いやすいって面もあるのではないかと想像しますが、シンプルな塩味炒飯に蓮の葉の香りが移って高級感あって、これは面白いアイデア。達者ですなあ。
デザートの前に、コース外の一品を追加。他のお客さんが食べてた天ぷら盛り合わせがおいしそうだったもんで、えび天を。ややぷっくりしたコロモに花椒塩をチョイつけて、困った、ビールが足りません。
そしてデザートはタピオカ入りココナッツミルクでフィニッシュ。一品一品の盛りはそう多くはないけれど、品数豊富でランチとして量的に充分満足できるものでした(海老天追加したけど)。どの料理もけっこう薄味ながら、足りない感は全然なし。重さがなく軽快にスイスイ入っていく感じで、これで2200円はとてもお値打ちだと思います。いやあ、これはいいお店だわ。
ランチ以外のアラカルトメニュー、夜のコースメニューも興味津々。上の写真にマウスを乗せると矢印が出てくるので、クリックしてその他メニューもご覧下さい。広東料理がメインですが、若鶏の朝天辣椒炒めなんちゅう辛そうなのもあり。座敷席もあるし、多人数で是非とも再訪してみたいものです。
しかし毎度ながら京都っちゅうのは恐ろしいところですなあ。和食はもとより、洋食だって中華だってラーメンだってなんだって、すごいところがゴロゴロあんねんもんなあ…
{お店データ}
住所:京都市東山区白川筋知恩院橋上ル西側556
電話:075-531-8000
営業時間:11時半~13時半、17時~21時
定休日:水曜(祝日の場合は営業)
コメント