【12月26日追記:年内閉店の予定でしたが、存続の声が多いため、2月から再開となりました!】
しばらくおがちゃんとご無沙汰なので飲みに行きたいなあと思っていたら、以前一緒に行った「酒之灘屋」が年内で閉店とのショッキングな情報が伝わってきました。3年半以上前に一度行ったきり、一見無愛想に見えて実は愉快な大将や、歴史を感じる器具の数々が興味深く、いつかまた行こうと思っているうちにこんなことになってしまって、すごく残念というか後悔しています。
まずは前回いただいて印象に残っていた野菜サラダを。ポテトサラダと千切りして塩で水出しした野菜が混ざっている変わり種です。大将に「以前来たけれどご無沙汰してしまっているうちにこういう事になって残念です」というと、「そんなお客さんばっかりやからこういう事になってしまいましたわ〜」と冗談交じりに返してくれました。
お父さんは新開地の高田屋京店で修行、2代目の現大将は高田屋京店で生まれたんだとか。先代から続くお店ですが、常連さんが高齢化してしまい、お店をたたまれることになったそうです。
メニューは海鮮ものをメインに、おでん・アテ系など色々。前回来た時も感じましたが、とてもいいネタを使っておられると思います。値段もそんなに高くないし、とてもいい店なんやけどなあ。(←ならもっと来とけよ)
魚は明石からの昼網、全て天然の魚。焼くのは備長炭、酢は玄米黒酢。塩は海から。醤油は3年醤油。超まともで、貴重。
前回も拝見させてもらったのですが、値打ちものの今はなき錫半のタンポがゴロゴロ揃っています。テレビはブラウン管、電話は壁掛けダイヤル式、数年に一度来られる保健所の担当者が「ここは博物館みたいですねえ」と驚かれるそうです。それほど昔からの道具を今なお現役で大事に使っているんですね。
この道具は、なんていうんでしょうか。銅製で鍋の下には炭をおこすスペースがあり、両サイドにはタンポを入れてお燗が出来るようになっています。実際に鍋を避けて、わらと割り箸を折ったのに火をつけて火種にし、それで炭をおこしてはりました。そういう作業がごく当たり前に見られるのも貴重です。
おがちゃんがオーダーしたひねポンは、野菜と共に軽く煮込んであり、予想以上のボリューム。一人だったらこれだけで軽く2合くらいは飲めてしまいそうです。
鰻の肝を頼んだら、一人当たり2本ずつでてきてめっちゃ豪勢。やっぱりこの店では店名通り日本酒をイっとくべきでしょう。あ、ここではお任せコースもあるし、2階で宴会も出来ます。
僕らのオーダー品じゃないんですが、ものすごく立派なサーロインステーキを炭で焼き始めたのにはビックリしました。「こんなんまであるんですか」と大将に行ったら「客を見ながら値段決めますねん」ってニタニタ笑ってはりました。メチャデカかったしサシもすごくいい感じだったけど、これいくらするんだろう。あんなこと言うくらいだからそんなに高くないんだろうな。
以前は蕎麦屋さんも経営されてたそうで、当時は年越し蕎麦の出前で大晦日は大忙しだったそうです。晦日蕎麦でお商売をしながらお正月用のおせちを作って新年を迎える、そんな習慣が当たり前だったので、今も大晦日はお客さんがいる限り営業中。本当に残念なのですが、年内でお別れ。年が明けるまで営業されているので、是非皆さんも足を運んでみて下さい。
{お店データ}
住所:神戸市中央区北長狭通8-1-1
電話:078-341-6395
営業時間:16時半~22時
定休日:日曜、祭日
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