【旧】foodish：”雑”食記

2軒目は「えびすや」に行こうとしたらこの日は休みだったので、以前から僕が行ってみたかった店「酒之灘屋」を提案、即採用となりました。この店、随分前から前を通りかかる度に気になっていて、上の写真も昨年撮ったもの。ネットで調べてもあまり情報がないので、そのうち試そうと思ってたんです。


店内は年季の入った落ち着いた雰囲気で、後で聞いたところによると今の大将がが2代目。先代のお父さんの時代から数えて60年ほどの歴史があるそうです。
(左)この後のことを考えて抑え気味にしたおがちゃんが梅酒を頼むと、割り水の瓶に長い木炭が入っていました。 (右)僕は後先考えず、秋田の｢新政(あらまさ)｣という酒を冷やでお願いしたら、すごく立派な錫のタンポ(ちろり)に入って出てきました。裏を見たらやっぱり錫半。
このお酒2種が出てきた段階で、この店はアタリと確信しました。


お店のメンバーは大将・奥さん・娘さん？の3名、カウンター席中心で2階もあり。この日お店に入ったのが5時ちょい過ぎということもあって、先客は60
〜70代の常連おばあちゃん客お一人でした。


その後またおばあちゃんが一人で入って来られたので、えらくおばあちゃん率が高いなあと思っていたら、大将のお母さんでした(笑) 一見気むずかしそうに見える大将も、実はひょうきん。その他の皆さんも気さくな感じで、和やかな空気がいごこち良し。色々と話を伺っていたら、こちらのお店は新開地の高田屋京店の弟子筋にあたるそうで、大将のお母さんいわく「この子は高田屋で生まれたんやで」とのこと。へえ〜


先の料理は2品ともネタの良さを感じるものでした。次いで焼穴子を注文すると、生のが出てきてこれを炭火で焼き始めました。てっきり焼いてあるのを温めるだけと思っていたので、ちょっとびっくり。


酔っぱらってたのでちゃんと憶えてないんですが、この焼穴子で800円だったかと。料理は全般にほどほどの価格で、これなんかけっこうなボリュームがありました。梅酒からスタートしたおがちゃんも、途中から日本酒にチェンジ。そりゃあここのアテなら当然ですわな。


年代物のタンポがすごいですねえという話をしていたら、「こんなんもあるでぇ〜」と、別サイズのを出してきてくれました。一番小さいのが最初に出てきた一合サイズ、真ん中のが二合サイズだと思います。ここまではたまに見かけるんですが、一番右のは「多分七合くらいとちゃうかなあ。もう何年も使ってないんやけど」とのことで、こんなでっかいサイズ見たことない。いずれも今はなき錫半製、しかもどれもかなり錫が分厚く、ずっしり重みがあります。途中で買い足したものもあるけれど、開店当時からの60年ものもいまだに使ってるとか。すごいなあ。
(こちらのブログに錫半に関する情報が載っています)

錫は柔らかいので、使っているうちに簡単に変形してしまいます。7合タンポの注ぎ口はこんなのに。歴史を感じるなあ。


時間が早かったのでまだ作りかけだったこれが気になってしかたがなかったおがちゃんが、急かしてｗ作ってもらいました。野菜サラダといいつつベースはポテトサラダで、これにキャベツや人参やらその他の野菜を刻んで塩で水出ししたものを加えてあります。これもうまかったなあ。


お店の雰囲気やら酒器の話がほとんどになってしまいましたが、お酒も料理はどれもおいしかったです。早めの時間に行ったので客層がまだわかりませんが、常連さんが多いんでしょうねえ。目を点けていたとおりすごくいいお店だったことがわかって、嬉しい♪


{お店データ}
住所：神戸市中央区北長狭通8-1-1　電話：078-341-6395
営業時間：16時半〜22時　定休日：日曜、祭日