僕がブログを始めたのは15年前。その当時に知り合っていまだに色々お付き合いしているうちの一人・えて吉さんが10年前にネタにしたのを見て以来ずっと行ってみたいと思っていた「山女庵」に、東京在住にもかかわらずこれまたえて吉さんと同じ頃からちょくちょく行動を共にしているぷるみえさんから是非にというオーダーがあり、*あきこ*さんも加わっての4人で行って来ました。
天下茶屋駅で降りるのは初めて。店頭の提灯には「天然鳥獣山菜魚料理」と書いてあり、英語・中国語・韓国語で予約のみの旨表示されています。
店に入ると履き物を脱いで座敷席に。低めのテーブルの真ん中がくり抜かれて、囲炉裏になっています。
メニューはなく、季節によって内容が替わる飲み放題付き1万円のコースのみ。鰻好きなのでいつかはここの天然鰻をいただきたいと思っていたのですが、今シーズンから別料金になったそうです。
まずは突き出しの若ごぼうと牛肉の炒めものからスタート。最初はビールで、その後僕は赤ワインにチェンジしました。
なんだかんだと積もる話をしていると、いきなりドカーンと鰹が登場。半分はお刺身・もう半分はたたきで、とにかく量がすごいし切り身がぶっとくて食べ応えあり過ぎ。よくある醤油・塩以外に醤油+マヨネーズなんて食べ方もお勧めしてくれて、個人的にはこの食べ方がけっこう気に入りました。
そうこうしてるうちに、続いてマンガに出てきそうな巨大な鹿肉の塩茹でがこれまたドカーンと登場。スケール感がもひとつの写真なのでナイフフォークから推していただくしかないのですが、平面的だけでなく立体的にもものすごい迫力のまさに「肉塊」でした。臭みなくしつこくなく、お箸でも取り分けられるくらいホロホロ、シンプルな旨さ。
ここら辺からは焼き物に移行、カンカンに熾った炭が囲炉裏にセットされます。たまにバチッ!とはぜて(危ないので注意)、ライブ感満点。
今回のは徳島のネギだそうで相当な太さ。これを炭火で時間をかけて焼いてくれます。
焼き上がったのにトングの先っちょですーっと切れ目を入れ、表面の焦げた部分を取り去ると…
じっくり時間をかけて熱を加えられた中身が表れます。なんの味付けもされていなくても、甘味たっぷり・ネギの旨味たっぷり。素材がよければシンプルが一番のお手本みたいなもんで、個人的には今回の一番でした。
焼いてもそれほど縮みません。これにちょっとだけバターを落として旨味をブースト。子供の時は椎茸が嫌いで、生だろうが干したのだろうが全く食べられなかったのに、なんでこんなに旨いと思えるようになったのか。これもネギと甲乙つけがたい値打ちもの。
焼の次は揚げ。まずは山菜の天ぷらで、ふきのとう、こごみ、行者ニンニク。苦みがおいしいと思える年頃になるまで幾星霜、山菜尽くしの宿に行ってみたい。これは日本酒にしたかったなあ。
揚げ二番手はアマゴ。川魚独特の個性っちゅうかなんちゅうかがいいですなあ。
…でもここいらでかなりお腹はいっぱい。
しかーし、こんな程度では終わりません。ここに来てトドメのぼたん鍋、めっちゃ具だくさん。豆腐だけでもずしっときます。
とても食べきれないので持ち帰らせてもらったそうなんですが、なんだかんだ喰って飲んで喋りまくって酔っぱらってたので、実はあまり記憶にありません。うどんなんてよく食べられたなあ。
永年の願いを果たすことが出来て、想像以上なこの店の「濃さ」を実感できました。冒頭に書いたとおり「天然鳥獣山菜魚料理」とはまさにそのとおり、変化球なし・全球剛速球でバンバン攻めてきます。シンプルな調理法は素材に自信あってのこと、季節を替えてまた来てみたいものです。
{お店データ}
住所:大阪市西成区岸里1-3-10
電話:06-6657-2292
営業時間:17時〜23時
定休日:日・祝
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