東京2日目のお昼間は展覧会に行ったり桜を観に行ったり日比谷あたりをうろついたりして、夕飯時にはまた人形町に戻ってきました。このあたりは洋食屋さんが多いことは昔から知っていて、「キラク」とか「小春軒」とか「芳味亭」とか、名前だけ知っていた店の前を初めて通っては、ほおーこれがそうなんかと興味深く思っていました。ということで2日目の晩ご飯は洋食にすることに。
選んだのは上記の3店ではなく、前日から付近をうろついていて気になっていた「来福亭」。見るからに老舗だし(明治37年創業)オーラを放ちまくってたもんで、詳しく調べもせずにとにかく入ってみることにしました。
ガラリ戸を開けて店内に入ってみて、驚いたのはその狭さ。4人掛けの低めのテーブル席が2卓しかありません。えー、これで商売やっていけるんかいなと思いきや…
入って右手に階段があり、2階にお座敷席がありました。(でも1、2階合わせて12席しかないそうで)
何かの雑誌のコピーでしょうか、お店の歴史が取材されています。「創業当時の作り方をなにひとつ変えず」とか「すべてのメニューを全部一から手作りしている」とか、嬉しいことが書いてあります。
僕が座った席の横はこんな造りになっていました。かつては丸い金具のところに蛇口がついてて、手を洗えるようになってたんですかねえ。
お店の造り同様、メニューのフォントがクラシックでかっこいい。スタンダードなメニューがほとんどの中、「アスパラガス」って何なんやろ?
裏面トップのカニヤキメシが気になる。サンドウヰッチの「ヰ」って文字なんて久しぶりに見ましたね。
こちらはセットものとか単品完結メニューってところでしょうか。
注文したものが出てくるまでビールを飲もうとしたら、突き出しにカキのオイル煮が出てきました。さほど濃くない醤油味で、カキの旨味がギュッと凝縮された感じ。糸唐辛子が見た目にもいいアクセントになっています。
一品目はオムライス・メンチカツ載せ(1000円)。個人的には東京の洋食は高いというイメージがあるんですが、こちらはボリュームたっぷりでとてもリーズナブル。特別なことはしておらず、あくまでオーソドックスなザ・オムライスって感じがとてもよかったです。やっぱりタンポポオムライスよりこれみたいな巻きタイプのほうが好き。メンチカツもドーンと存在感があって、いいコンビネーションでした。
そしてもう一品はヒレカツ(1000円)。メニューには東京では珍しいビフカツもあったのですが、やっぱりこっちに来たら豚肉だろうと。最初はそのまま、途中から卓上の辛子とウスターソースを少しだけかけていただきました。厚めではあるけれど無理なく噛みきれるソフトさで、肉汁が甘い。これで白ご飯をワシワシいったらすごく合うんだろうけど、オムライスがデカかったのでこの程度に抑えておいて正解でした。
僕らがお店に入ってしばらくして年配の男性一人客が入ってきて、チキンライスとメンチカツを注文して、文庫本読みながら食べてはりました。いかにも常連。この店にはそういうお客さんが一杯いるんだろうなあ、だからこのキャパで何年も続けていられるんだろうなあと思いました。長く続いてりゃいいってもんではないけれど、それなりの理由がなければ長くは続けられません。おいしかったしリーズナブルだったし、いい店に出会えました。次回はハヤシライスかカニヤキメシか迷うところ。
{お店データ}
住所:東京都中央区日本橋人形町1-17-10
電話:03-3666-3895
営業時間:11時半~14時 17時~21時 ※土曜は昼営業のみ
定休日:日・祝
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