このお店に初めて来たのはもう数十年前。四条通を花見小路から東へ進み、北側への細〜い路地をキョロキョロしながら探すと、路地の入り口とその奥に「甘泉堂(かんせんどう)」の看板がやっとこさという感じで見つかるはず。創業130年超ということで僕の感覚ではかなりな老舗だと思うんですが、京都では「まだまだ大したことおへん」とでも言われてしまうんでしょうか。
とにかく僕はここでは栗蒸し羊羹。販売されているのは10月から3月いっぱいで、4月から9月までは変わって水羊羹が登場するそうですが、僕はこの店ではこれしか食べたことがありません。とはいってもたまにしか京都に来ないので、秋冬時期にタイミングが合った時だけだから、これまで数回しか食べたことがないんです。
一本1700円とそれなりのお値段はします。でも包みを開けると現れるしっとり水気を含んだ竹の皮を見てしまえば、野暮なことは忘れてワクワク。
竹の皮を開くと現れるきれいな小豆色の蒸し羊羹の表面には、竹の繊維の形がありあり。その中に所々透けて見えるのは黄色く大粒の栗。きちっと角が立った棹状ではなく、竹の皮に材料を包んだ状態のまま蒸されているので、いかにも手作りしました感が満載です。
切ってみると、大粒で程良い甘さの栗の甘露煮がゴロゴロ、構成物はこの栗と羊羹のみ。ぽくっとした栗ももちろんおいしいんだけど、とにかく蒸し羊羹が絶妙。くどさが一切なくさらっとした甘味・スムースで程良く舌に纏わりつく粘度・いい意味で淡麗かつ品のいい餡の風味。
重くなくあっさりしているので、あっという間に喉を通ってしまうから、その気になれば半本くらいぺろっとイケてしまう自信があります。もちろんそんな贅沢なことは出来ませんが、許されるならやってみたい。それくらい僕にとって栗蒸し羊羹はここのがダントツの一位。このエントリ書いてるとまた食べたくなってきたけど秋までお預けだし、それまでに京都に行ったら初めての水羊羹を経験しましょうかね。でもまたそれも虜になったりして。
{お店データ}
住所:京都市東山区祇園町344-6
電話:075-561-2133
営業時間:10時〜20時
定休日:日曜
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