いつごろどうして繋がったのか記憶にないのですが、Twitterで知り合ったkeiさんがちょくちょくツイートするお店の料理があまりにおいしそうで、いつか行ってみたいと思っていた願いがやっと今回叶いました。目的地は「タベルナロッサーナ」。事前にわかっていたのは住所や営業時間などの他、レストランではなくワインバー・完全予約制・初回予約時は店主(愛想なしw)に電話する必要あり、などごくわずか。一緒に行ったえて吉さんなんてほとんど何も知らずに僕に連れて行かれたようなもんで、ほぼ丸腰のままkeiさん経由で予約をお願いしたのでした。
オープンして2年、それ以前にも長野市内やら東京都内でお店をやってらっしゃったことは知っていました。店内はカウンター8席と奥のテーブル席。店主お一人でやってらっしゃるので、自ずとカウンターがメインになります。後になって異例だとわかったのですが、僕らは料理もワインもまるっきりお任せにしたので、何が出てくるのか・値段はいくらなのか何もわからないまま。でもこれまでのkeiさんとのやりとりで絶対にアタリだと確信していました。事前にこちらからお伝えしていたのは、二人とも好き嫌いはなし・ワインは好きだが全く詳しくない、この2点のみ。こんなのでここに来ても良かったんでしょうか(爆)
まず手始めに泡でもいきますかということで、カウンターのグラスに注がれたのが…
Ri-Fol Ezio Cerruti 以下同様に、詳細を僕に訊いても「おいしかった」としか答えられませんので悪しからず。
で、出て参りました、keiさんのツイートで何度も見てきたオードブルの盛り合わせ。中身は日替わりで、なおかつヘビーユーザーと初心者では内容が違うのだそうです(ヘビーユーザーに同じものを食べさせないため)。店主が説明してくれたものの、種類は多いし手が込んでいるので全く憶えられない。帰ってきてからこのままではブログネタにしにくいなあと困っていたら、なんとkeiさんが事細かに料理内容を送ってくれました!親切ぅ〜
以下、送っていただいた内容を元に引用させていただきます。
まずは前菜。手前六時から左回りで。
・鱸のマリネ、自家製アリッサ入りアリオリソース。鱸には細かなエシャロットを纏わせ、上にイタリアンパセリを。
・水蛸の燻製。生の水蛸をさっと炙ったあと軽い燻製にし、粗めの黒胡椒がりがり、小川さん(オリーブオイルのインポーターで店主の古い友人)とこのオリーブオイルをかけ回して。
・鶏白レバーのヴェネト風煮込み。マルサラ酒というデザートワインとして使われる甘口のワインと多種のハーブでこっくり煮たもの。水は一滴も使いません。
・柿のススカイ。甘くて辛くて酸っぱいカリブ料理で本来はマンゴーで作りますが、とろり甘い晩秋の柔らかい柿で。辛みは八幡屋礒五郎さんの一番辛いバードアイ。
・蕪のブロード煮、ゴルゴンゾーラのソースをたっぷりかけて。
・パプリカのペぺロナータ。タイムを効かせた、皿の中の色味のバランスであり箸休め的ほっこり惣菜です。
・鰆のカルピオーネ。強い目に揚げた鰆をたっぷりの香味野菜と甘酢に漬けて。
・真ん中にあるのが、大根のインド風カクテキ。長野市の採れたて甘い大根を、マンゴーのアチャール(野菜や果物で作るスパイスたっぷりのインドのお漬物)で漬けたもの。
・インド風カクテキの右下に丸い濃い色の物体が見えますが、店主はすでに忘却の彼方に。黒アワビ茸のマリネか、茄子の赤ワイン煮かと。。。
どうっすか?こんなの憶えられるわけないでしょ?w お店ではここまで詳しい説明はなかったので、余計に解説がありがたいです。料理の品数は多いしバラエティ豊富だし、とにかくどれもこれもウマいとしか言いようがない。ボリュームもけっこうあるので、この一皿でワイン5、6杯くらいイケてしまいそうなほどの強力さに、やはりわざわざ来て良かったと痛感。特に印象に残ったのはどれかと問われたら、強いて言えば蕪ですかねえ。レバーもカクテキも良かったなあ。
空いたグラスをカウンターに置くと新たなワインを出してくれるシステムになっていて、上のオードブルに続きこの後出てくる料理に合わせて次々といろんなワインが出てきます。
Les Bouillons/Nicolas Bertin/Angiolino Maule Sassaia/Camillo Donati Ovidio/Talo Negroamaro Cantine San Marzano/Talo Salice Salentino San Marzano/Barbera D’alba Vacca
あんなに凝ったオードブルが出てきても、あくまでこちらの主役はワイン。無理せずとも自然に次から次へとグラスが空になっていくんですよ。なんやかんやと色々よう飲みましたねえ〜
オードブルに続いての料理もお任せ。食べ具合・飲み具合を見ながら店主が次々と出してくれます。
北イタリア、アルトアディジェの郷土料理「トローテ インブルー」の穴子版。
店主がさばいた穴子の内臓を洗うときから白ワインを使い、ハーブと白ワイン・ヴィネガーを加えてオーブンでゆっくり煮込みます。仕上げはアクセントに実山椒の塩漬けとパルメザンチーズを。穴子の脂気と薄い酸味で白ワインがすすむ皿。
穴子好きなのでしょっちゅう食べてますが、こういう食べ方は初めてで新鮮でした。
ヤリイカのイカ墨煮。あらかじめ作ったイカ墨ソースで、クスクスを中に忍ばせたヤリイカを煮たもの。
この辺から白から赤ワインにシフト。イカ墨ソース自体がうまい上に、イカへの火の入り加減がバッチリ、柔らかくてイカっぽさ豊か。
鴨のロースト、カルヴァドスと紅玉の林檎ジュースのソースで。日本酒の「しずく取り」のように、林檎の自重だけで落ちた雫を集めた贅沢な林檎ジュースを使用。鴨のガラや筋でとったフォンと、シェリーヴィネガーを煮詰め、林檎ジュースとカルヴァドスを足してソースに。付け合わせは、紫芋のオーブン焼き。
フルーツ系のソースと鴨の組み合わせはやはり鉄板。加えて皮も身も火の通し加減が絶妙、写真を見るだけでもゴクリと喉が鳴ります。「料理も出すワインバー」とはなんとご謙遜な表現でしょうか。
ドルチェはゴルゴンゾーラと幾つかのドライフルーツのパウンドケーキ&濃厚チョコレートケーキに、たっぷりラムを使った栗の渋皮煮に、伝説のグラッパ職人レーヴィのグラッパを入れた生クリーム載せ。
ドルチェに合わせてピノー・デ・シャラント(Pineau des Charentes)。ブドウ果汁にコニャックをブレンドして熟成させた甘い味のワインのようなものだそうで。〆にチョコレート系のケーキ、好きなんですよ〜
総括すると、(基本的に)店主一人でワインの仕入や管理から料理に至るまで、ここまでやるのはただただすごいなあとしかいいようがありません。詳細に感想を書くのなんて無理、ワインも料理もそこまでのものとはわかってない僕なんかが飲んだり食べたりしていいのか。…なんてことはしょっちゅうなので、まあいつもどおり楽しくおいしく飲み食いできて良かったなあとしか思ってないんですけどね。
以下補足。
- 初回は必ず電話で予約が必要、2回目以降はもっと簡単でいいそうです。
- 初回はいきなりお任せではなく、ワインや食べ物の好みを伝える必要あり。僕らみたいな丸投げはレアケース。
- 本来はオードブルとおまかせワイン2杯がベースで、それがなんと3000円!(なんかおかしいんとちゃいますか…) 以降、好みでワイン・食べ物を追加していくことができます。
わざわざ長野まで足を運んで来た甲斐がありました。残念ながらkeiさんにお目にかかることは出来ませんでしたが、またいつかどこかでお話しできる日が来ることでしょう。丁寧な解説、本当にありがとうございました。もちろん店主にも感謝、是非また再訪したいなあ。
しかし毎度ながら思うのですが。地方に行けば行ったでいろんな店があるもんですなあ。これだから旅はやめられません。生涯旅人希望。
{お店データ}
電話:080-1168-5734
住所:長野市鶴賀権堂町2337
営業時間:[水~土] 19時~25時 [日・祝] 14時~20時
(完全予約制)
定休日:月・火
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