夏のええ加減ドライブ(2)〜念願の宮津・「富田屋」
Posted ish / 2010.08.20 Friday / 15:48
天橋立で有名な街・宮津にある「富田(とんだ)屋」のことを初めて知ったのは、「こんなの食べたよ」のえて吉さんが以前やっていたブログ・「えて吉の飲み食い」でした。その後やっさんとこやWakkyさんとこなんかでもネタになり、いいないいないつか行きたいなとずーっと機会を狙っていました。
今回ひょんなことからえて吉さんと夏のドライブに行こうということになり、唯一の目的が富田屋での1泊2食に決定。4年越しで、やっとその念願が叶いました。
(以下の小さな写真はクリックで大きくなります)
(左)場所は初めての人でも迷うはずもない、JR宮津駅の真ん前。白いのれんが掛かっている2箇所がお店へに出入り口です。
(右)店頭ののれんには「大衆・海の幸料理」とあり、基本的には居酒屋あるいは食堂です。ただし…
(左)店の2階に部屋がいくつかあり、宿泊可能。店の正面から右側に回っていくと旅館?部分へと続く別の玄関があります。
(右)外観通り中はけっこう年季が入っていて、(恐らく)オール和室・部屋の仕切りはガラリ戸・階段だらけ・お風呂は一度に一人ずつの家庭サイズと、今日びの基準からするとかけっこうプアな部類です。
ですが、そんなことは全然気にならずむしろネタとして捉えられてしまいます。何故ならここは素泊まりで3800円、1泊2食でもなんと5000円(税別)なんです。食事代は差し引きすると1200円、そのうち朝食は隣にある富田屋系喫茶店のモーニングセットなんで、夕食分は数百円ということになります。
泊まり・食事のみとも経験があるえて吉さんのアドバイスに従い、今回は1人分は2食付き、もう1人分は朝食のみという泊まり方にしました。何故なら、泊まりの夕食はおまかせで出てくるので、同じものを2人分食べても面白くない。どうせなら、おまかせ1人分に、別途自分達の食べたいものをオーダーしよう、という作戦です。
宿に着いた18時過ぎの段階で、すでに空席待ちのお客さんが店の回りでウロウロしていました。宿泊客とはいえ席を確保してくれている訳ではありませんが、食事のみの客に比べて多少は融通してくれるようです。
メニューが盛りだくさんなので、上の写真はクリックすると特大サイズになります。どうぞじっくりご覧下さい。左はレギュラーメニュー、右は店内にある日替わりメニューです。
日替わりメニューのホワイトボードは長辺1m弱とけっこうなサイズなのに、チマチマした字でいっぱい書いてあるので、近くに寄ってみないとなんて書いてあるのかわかりづらい。せっかくスペースあるんだから、もうちょっと大きく書いてくれたらいいのに(笑)
まずは、1泊2食についているおまかせ料理からご紹介しましょう。
(左)造り盛り合わせ/鯛・トリ貝・イカ・カンパチ?かな。それに酢ダコ。
(右)鱧の天ぷら・焼きハタハタ・なんかの魚の卵の炊いたの。
サザエのつぼ焼き。キモもまったく臭みなし。
気になっていたのでどっちにしても注文しようと思っていた自家製焼豚が出てきたのでラッキー。
ここまでがセット分夕食の「一人分」。いずれも質的に申し分なし、ボリュームも充分、これに別途ご飯がつきます。鱧の天ぷらなんて身も厚かったしプリプリの上質、それぞれの料理毎に細かく感想は書きませんが、さすが噂どおりの信じられないコストパフォーマンス。なんでこんな値段でやっていけるのか、訳分かりません!単品でオーダーした時と同じサイズで出てきてるのかどうかわかりませんが、もしそうなら単純に足し算したらいくらになる事やら。
えて吉さんによると、前回のセットメニューより内容が良かったのではないかとのこと。また隣の席のリピーターさんによると、日によってレベルにばらつきがあるとのことで、たまたこの日は運が良かったのかもしれません。それにしてもなあ、これで数百円分やもんなあ。
以上のセットものも2人でつつき合い、最初はビール、続いては日本酒にシフトしながら、超ゴキゲン。
で、以降は単品メニューの数々。実際には上のセットメニューの合間合間に出てきました。
富田屋で主たる狙いだった、夏の風物詩・岩ガキ。もしなくなってたらどうしようと思ってたので、良かった良かった。握りこぶし大の立派なサイズが2ピースで1人前@1155円を、2人前の計4ピース、かなりな迫力でドド〜ンと登場。
冬のカキとはまた違ったリッチな風味、ミルキーな濃い旨味がダイナマイト!で、食べながら思わずニンマリ笑いが出てしまいます。わざわざクソ暑い中遠出してきた甲斐がありましたね〜、これは。
続いてこれも是非モノと狙っていたウニ1418円。メニューには箱ウニって書いてあったけど、殻に載せて野趣豊かに出てきました。妙な苦みもなく、自然な甘味が舌の上でトロ〜ッ。こりゃあやっぱり日本酒しかないでしょう。
えて吉さんが前回見てすごかったというアラ煮(263円!)をオーダーしようとしたら残念ながら売り切れ。でもおばちゃんが「鯛の兜煮やったらあるよ」と言ってくれたので、素直に従ったら出てきたのがこれで683円ナリ。なかなか写真でこのサイズが伝わりませんが、全長30〜40cmの鯛の身を取って、兜どころか身を取った後のアラを全部使った代物で、とにかくボリュームが半端でない。
アラ煮でよくある濃いめの味付けではなく、色も薄めなのでどうかなあと思ったけど、食べ始めたら鯛の旨味があるのでこれで充分、却って食べ飽きなくて良かったです。残すともったいないので一所懸命食べたけど食べきれず。最後おばちゃんに「残してゴメンね」って言ったら、残りをちらっと見て「あんたら、よう食べたやん」ってほめてもらいました。んー、岩ガキに比べてまったくチープにもかかわらず、こいつもかなり記憶に残る代物でした。
(左)海のもの以外もというこで牛肉焼き(473円)、(右)あっさりシンプルちょい甘スープの中華そばを368円を〆にいただいて、超満腹大大満足のごちそうさま。
それなりにアルコールも飲んだけど、酔う前にお腹一杯でもう入りませんという感じでした。
明けて翌朝、富田屋隣の同系列喫茶店「サイホン」でモーニングセットをいただきます。ちなみに1泊2食付きで5250円、1泊朝食付きなら3990円です。
前夜街中をウロウロしたところでは、この富田屋コンツェルン以外目立ったお店はほとんど見あたらず。落ち着いた雰囲気で、街随一の喫茶店ってところでしょうか。
分厚いトーストにおかずもたっぷり、ドリンクもついて一日のスタートには充分、おいしくいただきました。
お勘定は昨夜の食事後に済ませているので、その段階で実質的にはチェックアウト終了。2人で生ビール3杯・ビンビール1本・日本酒5本+夕食セットメニュー1人分+岩ガキはじめアラカルトの数々+翌日のモーニング2人分+宿泊費2人分で、しめてたったの17,487円!2人ともセットにしていたら、これよりもう4000円ほど安くなるはずです。こりゃリピートしたくなるはずやわ。やっぱり噂どおりすごいです、ここ。
自分自身のリピート用にも、以下メモ。
- 何度もリピートするなら夕食セットでリーズナブルにいくのもよし。色々食べたいなら、今回のようなセット+アラカルトが大正解。
- 18時夕食スタートでもモノによっては売り切れていたので、万全を期すなら早めのチェックインが無難。(アワビ食べ損ねた…)
- 宿泊する部屋は2人ならゆうゆうの広さ。ただし大多数の部屋は、宿の出入り・洗面・トイレ等の場合に急な階段を上り下りする必要あり。寝ぼけていたり酔っぱらったりした場合は要注意。
- 部屋には窓に取り付けてある小さなエアコンしかないので、ムッチャクチャに暑かったです。扇風機もないので、エアコン&窓全階、部屋のガラリ戸を少し開けて熱気を追い出しました。僕もえて吉さんも普段からエアコン使わずに寝ているのでなんとかなったものの、フツーの人なら暑くて寝られなかったはず。値段が値段なので文句をいう気などさらさらありませんが、真夏に行かれる場合はご覚悟を。
いやー、それにしてもネタ満載の宿でした。書こうと思ったら、この倍くらい書くことあります(笑) 今度は家族でorグループでも来てみたいなあ。びっくり&喜んでくれること間違いなし!!
{お店データ}
住所:京都府宮津市字鶴賀2066-56 電話:0772-22-0015
営業時間:11時〜23時 定休日:月曜
Comments
Miki Pyle2010/09/01 12:10 AM
暑いですねぇ。。。。。
こっちも暑いです〜
いやぁ、又々凄い所を紹介していただいて感激しています。富田屋さんの事夫に話したら今度帰国したら是非行きたいと申しています。アメリカ人でも泊めてもらえるかしら?こういう庶民的な日本が大好きな人なので。季節的に春か秋が良さそうですね。
昨夜あの美味しそうな海の幸づくめの料理の写真を見ながら2人してヨダレを垂らしていました(笑)。
5000円であの質と量は余りにも良心的過ぎるぐらいですよね。
ish2010/09/01 08:13 AM
Miki Pyleさん>
へ〜このエントリにアメリカから反応あるとは思わなんだ〜(笑)
僕も今回が初めてでしたが、恐らく誰であっても平等に扱ってくれる(懇切丁寧ではないw)感じなので、アメリカ人であろうが関西人であろうが一緒だと思います。そういういい意味での「ほったらかし感」もまた面白かったんですよね。
お風呂が日本のフツーの家庭用みたいなのですが、そういうのは大丈夫ですか?とにかく真夏は避けて下さい。冬の時期の暖房はわかりませんが、駅前なので雪が降っても交通機関はなんとかなると思います。是非行って感想聞かせて下さいね!
Miki Pyle2010/09/01 09:57 AM
夫は10年間京都に住んでいたのでお風呂の件は大丈夫です。今でも仕事でしょっちゅう日本へ行っているので。でも真夏はやはり避けます。気候の良い季節が良いですね。布団の寝心地はどうでしたか?
写真ではちょっとせんべい布団っぽかったけど。でもあの安さでは文句は言いません(笑)。
ところで以前のコメントで神戸のベトナム食堂のリンクをしていただいてありがとうございます。サンチカにもあったのですね。多分あの前を何回か通っている筈です。2月の帰国では六甲道付近にあるベトナム食堂へ行きました。フォーとエビのマヨネーズ炒めが中々美味しかったですよ。
ish2010/09/01 11:04 AM
Miki Pyleさん>
それなら大丈夫ですね。
布団はどうだったかなー、あんまりこだわりないんで記憶にないです(笑) そんなに薄っぺらでもなかったと思いますが。
最近ベトナム料理屋さんって増えてますね。神戸だったらノルブリンカが好きかなあ。(前にも紹介しましたかね?)
https://foodish.net/sb/log/eid1133.html
Hiro .T 2018/07/31 08:14 AM
はじめまして、記事を感心深く読ませてもらいました。実は私はもともと宮津出身で富田屋は母親が働いていたこともあり何度もお店で食事もしていました。私の子供の頃のイメージでは昼間から酔っぱらいがいてる柄の悪いお店だったんですけどSNS でもともと地元の繁盛店がさらに人気に火がついたみたいですね。
今は大阪に住んでいるんですが天橋立に海水浴がてら寄ってみようと思います。ブログ楽しませてもらいました。
ish2018/07/31 10:33 AM
Hiro .Tさんへ>
コメントどうもありがとうございました。そうですか、柄の悪い店ってイメージだったのですか。昼間から酔っぱらってるのは子供からすると悪い人に見えるんでしょうねえ。僕も注意しなければ(笑)
富田屋には何度か行きましたが、泊まったのはこの時だけで、しばらくご無沙汰なのでまた行きたいなと思っていたところなんです。でも今年のこの猛暑で、もしエアコンがまだ入ってなかったらと思うと涼しくなってからにしようと思っています。車で日帰りだと飲めないですしねえ。
もし行かれたら、また感想をお聞かせ下さい。
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