【旧】foodish:”雑”食記

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「がんばって」という言葉

Posted ish / 2004.10.25 Monday / 02:34

土曜日に新潟中越地震が起こって以降、何か落ち着かない。
自分自身が阪神淡路大震災の経験者であるということ以外にも、ごく身近な友人が長岡市にいることで、余計に気がかりである。勿論、それ以外の地域で起こった災害はどうでもいいと思っているのではない。
先の台風といい今回の地震といい、ほんとうに天災続きだ。
神様、もういい加減にして下さいと天に祈る気分である。

10年前のあの震災で、僕らは多くの経験をした。悲しかったことや辛かったこともあったけど、嬉しかったことも勉強になったこともあった。あの経験が自分に大きな変化をもたらしたことも、自分にとって肥しになったことも事実であるけれど、できることならあんな経験はしないほうがいいのは決まってる。だから、経験してない人は何もわかってないとか、そういう事を言うつもりはない。ただ、どんな事柄であるにせよ、経験したものしかわからないことがあるのもまた事実である。

あの経験以来、僕らは人に対して「がんばって」という言葉を気軽にかけられなくなってしまった。自分がその言葉をたくさんの回りの方々からかけられる身になって初めて、その言葉を受け止める側の気持ちがわかったから。
無論、言葉をかけている側に悪気があろうはずはなく、それは受けている側も重々わかっている。それでも、どこかしら他人事で言われているように感じてしまうものなのだ。
僕もそれまでは言う方の立場だった。言われる側になってみて、初めてわかった。

新潟で被害にあわれた方々以外にも、先の台風で大変な目にあわれた方々もいるし、理不尽な災難に見舞われている人々はそこいら中にいる。
どの人たちにも、僕は「がんばって」とは言えない。
10年前のオリックス・ブルーウエーブのスローガンは「がんばろう神戸」だった。そう、もし言えるとするなら、「がんばろう」。それしか言えない。

こんなことを書いても何の意味も為さないだろうし、自己弁護にしかすぎないのも承知しています。でも、これを書かずして、これまで同様にエントリを続ける気になれませんでした。
次回からはあえていつもどおりに戻ります。勝手御免。

Comments

usako2004/10/25 10:21 PM

震災の時、問題になりましたね。
どのように声をかけたらよいのか分からず、安易に言うと違う意味に聞こえてしまうこともあります。
私は、震災の年の紅白歌合戦で前川清さんが、「そして神戸」を歌われて、歌詞の内容がどうのこうではなくて、純粋に泣けてきました。歌で励まされた人もたくさんいると思います。

ish2004/10/26 12:04 AM

usakoさん>TBに続きコメントありがとうございます!
多分判っていただいてると思うのですが、「がんばって」と言わないようにしましょう、って訳ではないんですよ。これはこれで素晴らしい言葉なんですからね(^^)
紅白の「そして神戸」、僕もウルウルきました。もっときたのは、あの年の年末のルミナリエです。それまで当然だと思っていた、明かりがある、温かみがあるということがどんなに素晴らしいことなのか、じーんと胸に来たのを今でも憶えています。

ふらんす2004/10/26 04:44 PM

私は何か大きな災害を経験したことはないのですがやはり「がんばって」は言いにくいと思っています。応援する気持ちの表現なのですが、あくまでも他人事、というニュアンスが入るような気がするからです。それじゃ代わりに何ていうのかというのも難しいですが。

ish2004/10/26 08:56 PM

ふらんすさん>
そうなんです。適切な代わりの言葉がなかなかないんですよね。だからがんばろうぐらいしか思いつかないんですよ。
まあ、本当に大事なのは表面上のことではなくて、内面的なものや実質的なことなんですけどね。

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うさこ店長の呟き・ゴッゴル2004/10/25 06:51 PM

まだ、ライフライン復旧してないですね電話や電気も不通だとか地震で被害を受けるのはお年寄りに小さい子供ですよ今回の地震は日本に住むからには避けて通れない災害ですよ基本的には、危険地域に住むのは良くないですよ台風の時でも、問題になったのが危険

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