初めての「かしみん」
Posted ish / 2006.02.25 Saturday / 11:49
*このエントリは「2日目は和歌山へ」の続きです。
大阪・岸和田の一部地域で親しまれている「かしみん」のことは、愛読しているMeets Regional(以下ミーツ)・2002年2月号で知りました。当時の編集長・江弘毅さんの出身ということもあり、ミーツには魅力的な岸和田周辺ネタがチョコチョコ載っているのですが、神戸の僕にはチト遠い(←湾岸線を走ればそう大したことないのに)。その後、道頓堀極楽商店街に「泉州屋」が出店したけれど、やはりこの手の食べ物は現地で経験してみたいとやせ我慢、いつかチャンスがあれば岸和田にと長いこと狙い続けていました。
(20090215追記:その江さんのブログ「日本一だんじりなエディター江弘毅の甘く危険な日々」で、「かしみんのこと」がアップされているのを知りました。もの凄く内容が濃いので、是非ご覧下さい。)
で、今回のツアーで和歌山方面に行くことが決まり、これはいい機会がやってきたと(注:岸和田は大阪と和歌山の間に位置します)。「もし時間に余裕があるなら行きたい」と提案してみたら、ぷるみえさんもえて吉さんも即刻OKしてくれ、やっと今回念願を果すことができました。
どうせ行くならできるだけディープにということで、選んだお店はかしみんの名称発祥の地・「大和(やまと)」。住宅街の狭い路地の奥にひょっこり「お好み焼」ののれんが見えるという、いかにもなロケーションにあります。毎度ながら、こういうわかりにくい場所に一発でたどり着けるえて吉さんの嗅覚は、まさに動物的(笑)
この手の地元民御用達系のお店の扉を開ける時は、ちょっと緊張します。がらっと開けてみると、夕方4時ごろということもあるのか、先客なし。油光りした店内は、一般家庭の小さめな土間といった感じで、5人ほどの客が座れる大きな鉄板が据えてありました。
壁に貼られたメニューを見れば推察できるように、「かしみん」は「かしわ」と「みんち」が合わさって出来た言葉。僕は当初「かしわのみんち」だと勘違いしていました。
まず「かしわ」とは鶏肉のことで、関西や九州の方ならおわかりいただける方も多いはずです。親の世代は日常的に使っていましたが、僕の周囲では段々と聞く頻度が落ちている言葉です。
*参考サイト:柏餅とちゃう、「かしわ」は「かしわ」や!
*関連エントリ:「残しておきたい言葉」
「みんち」とはあのミンチ肉のミンチのことなのですが、こちらでのみんちは、すき焼なんかに使う牛の脂身をミンチ状にしたもののことをいいます。(お店によっては豚の脂身の場合もあるそうです)
大阪・岸和田の一部地域で親しまれている「かしみん」のことは、愛読しているMeets Regional(以下ミーツ)・2002年2月号で知りました。当時の編集長・江弘毅さんの出身ということもあり、ミーツには魅力的な岸和田周辺ネタがチョコチョコ載っているのですが、神戸の僕にはチト遠い(←湾岸線を走ればそう大したことないのに)。その後、道頓堀極楽商店街に「泉州屋」が出店したけれど、やはりこの手の食べ物は現地で経験してみたいとやせ我慢、いつかチャンスがあれば岸和田にと長いこと狙い続けていました。
(20090215追記:その江さんのブログ「日本一だんじりなエディター江弘毅の甘く危険な日々」で、「かしみんのこと」がアップされているのを知りました。もの凄く内容が濃いので、是非ご覧下さい。)
で、今回のツアーで和歌山方面に行くことが決まり、これはいい機会がやってきたと(注:岸和田は大阪と和歌山の間に位置します)。「もし時間に余裕があるなら行きたい」と提案してみたら、ぷるみえさんもえて吉さんも即刻OKしてくれ、やっと今回念願を果すことができました。
どうせ行くならできるだけディープにということで、選んだお店はかしみんの名称発祥の地・「大和(やまと)」。住宅街の狭い路地の奥にひょっこり「お好み焼」ののれんが見えるという、いかにもなロケーションにあります。毎度ながら、こういうわかりにくい場所に一発でたどり着けるえて吉さんの嗅覚は、まさに動物的(笑)
この手の地元民御用達系のお店の扉を開ける時は、ちょっと緊張します。がらっと開けてみると、夕方4時ごろということもあるのか、先客なし。油光りした店内は、一般家庭の小さめな土間といった感じで、5人ほどの客が座れる大きな鉄板が据えてありました。
壁に貼られたメニューを見れば推察できるように、「かしみん」は「かしわ」と「みんち」が合わさって出来た言葉。僕は当初「かしわのみんち」だと勘違いしていました。
まず「かしわ」とは鶏肉のことで、関西や九州の方ならおわかりいただける方も多いはずです。親の世代は日常的に使っていましたが、僕の周囲では段々と聞く頻度が落ちている言葉です。
*参考サイト:柏餅とちゃう、「かしわ」は「かしわ」や!
*関連エントリ:「残しておきたい言葉」
「みんち」とはあのミンチ肉のミンチのことなのですが、こちらでのみんちは、すき焼なんかに使う牛の脂身をミンチ状にしたもののことをいいます。(お店によっては豚の脂身の場合もあるそうです)
ひっくり返す前のかしみん(中・400円)。ホワイトチョコかチーズのように見えるのがミンチで、ぱらぱらと上から振りかけてはりました。神戸にも独特なお好み焼がありますが、僕自身は鶏肉入りを経験したことがありません。
それぞれ上からコナを流しかけてからひっくり返して焼き、もう一度ひっくり返す。ソースか醤油か好みの味付けをしてもらったあと、仕上げにもう一度みんちをぱらぱら振りかけて出来上がり。(やや興奮気味だったので、出来上がりの写真を撮るのを忘れていました)
大和のご主人による注文前の説明によると、「みんちは消えてなくなるモン」。牛脂ですから、熱が加わればそりゃそうですわな。脂の旨みをプラスするトッピングと捕らえていいかと思います。予想と違っていたのがかしわ。鉄板に触れているところはカリカリしていて、部分的にグリゴリした噛み応えがあって、旨みが濃い。鶏肉だけにもう少しあっさりしたものだと思っていたのに、かなり主張してきます。ぱらぱら振りかけるみんちが珍しいためそちらに目が行っていましたが、こちらもやはりかしみんの大事な要素だったと、食べてみて納得しました。
帰宅してから前記のミーツを発掘して調べてみると、この地域のかしみんのお店で使われているかしわは、全て近所の鶏肉店・「鳥美」のものだそうです。卵を産み尽くした「ひね」と呼ばれる鶏肉の身・脂・皮を混ぜて刻んでいるから、あの濃い旨みとグリゴリ感が出るんやなあと、改めて奥の深さを感じました。
★その他モロモロ
大和のご主人、焼いてくれた(恐らく)娘さん、途中でお店に出てこられた奥さん、皆さんとてもきさくでいい方々でした。やっぱりこの手の食べ物は、現地に行って、お店の方と話をして、お店や回りの空気を感じながら食べるのが一番。まだまだ興味のあることが一杯あるので、是非とも岸和田を再訪してみたいと思っています。
{お店データ}
(大和)
住所:大阪府岸和田市紙屋町15-4 電話:0724-32-3872
営業時間:11時半〜19時 定休日:水曜
(鳥美) *お店でかしみんも食べられます。
住所:大阪府岸和田市堺町7-29 電話:0724-22-5816
営業時間:11時〜18時半 定休日:火曜
(左)ねぎ焼みんち・330円 (右)モダン焼みんちのそば・530円。
それぞれ上からコナを流しかけてからひっくり返して焼き、もう一度ひっくり返す。ソースか醤油か好みの味付けをしてもらったあと、仕上げにもう一度みんちをぱらぱら振りかけて出来上がり。(やや興奮気味だったので、出来上がりの写真を撮るのを忘れていました)
大和のご主人による注文前の説明によると、「みんちは消えてなくなるモン」。牛脂ですから、熱が加わればそりゃそうですわな。脂の旨みをプラスするトッピングと捕らえていいかと思います。予想と違っていたのがかしわ。鉄板に触れているところはカリカリしていて、部分的にグリゴリした噛み応えがあって、旨みが濃い。鶏肉だけにもう少しあっさりしたものだと思っていたのに、かなり主張してきます。ぱらぱら振りかけるみんちが珍しいためそちらに目が行っていましたが、こちらもやはりかしみんの大事な要素だったと、食べてみて納得しました。
帰宅してから前記のミーツを発掘して調べてみると、この地域のかしみんのお店で使われているかしわは、全て近所の鶏肉店・「鳥美」のものだそうです。卵を産み尽くした「ひね」と呼ばれる鶏肉の身・脂・皮を混ぜて刻んでいるから、あの濃い旨みとグリゴリ感が出るんやなあと、改めて奥の深さを感じました。
★その他モロモロ
- 店内の棚には持ち帰り用の「フネ」が山積み。焼いてもらって家で食べるパターンも多いようです。
- 写真には写っていないメニューで「粉から焼(130円)」というのがありました。値段からして、ベースの粉にソースを塗ってミンチを振りかけただけのおやつっぽいものではないかと。(食べりゃ良かった…)
- 大和にはビール他アルコール類はありません。恐らくは、子供達もやってくる駄菓子屋感覚のお店だからではないかと推察。
- 岸和田在住の知人数人に聞いたところでは、かしみんは「浜」と呼ばれる海側ゾーンの食べ物で、山側の人は存在すら知らない人も多いとか。また、かしわ入りに限らず、大きなくくりで「洋食」と呼ぶ場合も多いそうです。多分、一銭洋食からの転化なんでしょうね。
大和のご主人、焼いてくれた(恐らく)娘さん、途中でお店に出てこられた奥さん、皆さんとてもきさくでいい方々でした。やっぱりこの手の食べ物は、現地に行って、お店の方と話をして、お店や回りの空気を感じながら食べるのが一番。まだまだ興味のあることが一杯あるので、是非とも岸和田を再訪してみたいと思っています。
{お店データ}
(大和)
住所:大阪府岸和田市紙屋町15-4 電話:0724-32-3872
営業時間:11時半〜19時 定休日:水曜
(鳥美) *お店でかしみんも食べられます。
住所:大阪府岸和田市堺町7-29 電話:0724-22-5816
営業時間:11時〜18時半 定休日:火曜
Comments
coply2006/02/26 01:24 PM
かしわ、は私も知ってますよ〜!と言うか(関西出身の)親の影響ですな。
小さい頃から家では鶏を「かしわ」と言うのは当然(笑)で、特に父がそうでしたね。
やはり古い世代ほど知っているんでしょうかね。
失くしたくない(残したい)言葉に賛成です(笑)。
それしてもかしみん、おいしそうだな〜。
ish2006/02/26 04:36 PM
coplyさん>
かしみんそのものの魅力もありますが、お店の方々や造り、街並みなど、全部合わせたシチュエーションがすごくいいんですよ。きざっぽい表現で言うなら、「土地の香り」とでもいいますか。
ほんとに「来て良かった」って思いましたよ。
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