【旧】foodish:”雑”食記

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残しておきたい言葉

Posted ish / 2004.09.25 Saturday / 00:42

時代と共に言葉は変っていきます。それはそれで仕方がないこととはいえ、消えてしまうには惜しい言葉もたくさんあります。
食べ物や料理の名前にも、残しておきたいものが皆さんにもあるはずですよね。僕が生まれ育って来た環境(神戸・大阪)でという条件のもと、「残しておきたい食べ物言葉」をいくつか拾ってみました。

◆関東煮
「かんとうだき」あるいは語を縮めて「かんとだき」と読みます。今となってはほとんど全国標準の「おでん」にとって変わられつつあります。もともと衰退しつつあったのに、コンビニでおでんが販売され始めて以降、余計にその度合いが増したように思います。

神戸の須磨海岸には、夏の海水浴シーズンになると海の家がオープンします。色んな飲み物・食べ物が売られている中、かかせないのが「かんとだき」。クソ暑い夏の海岸で、何故かんとだきなのか今もってわかりませんが、とにかく定番なんです。
ただし、ここ数年夏の須磨に行ってないので、今なおこの伝統が受け継がれているのかは不明。

なお、大阪のおでんの老舗「常夜灯」では、おでんとも関東煮でもなく、誇りを持って「関西煮(かんさいだき)」と呼んでいます。

◆かしわ
「鶏肉」のこと。僕の母親などは頻繁に使っていましたが、すでに僕の世代ではほとんど使いません。鶏肉(とりにく)とか、単にトリと言うのが通常。
なお、いくら親の世代でも「焼かしわ」とは言わず、焼鳥はやっぱりヤキトリ。
僕の知る限りでは九州には「かしわめし」という鶏肉炊き込み御飯の駅弁がたくさんあるので、あちらではまだまだ現役の言葉なのかもしれません。

ちなみに、「関西一部地域ではケンタッキーフライドチキンを食べに行くことを『トリしばきにいく』と言う」という説がありますが、ごくまれに本当に使われているようです♪

◆しのだ
きつねうどんのこと(と一概には言い切れない場合もありますが)。
「しのだ」「うどん」という2語でググってみると、様々な検索結果が得られます。
きつねが油揚を好むということから、信太の森の狐の伝説によって命名されたという。
信太の森のきつねの伝説とは,信太の森の葛の葉狐クズノハギツネが安倍保名と結婚し、1子をもうけたという伝説のこと。浄瑠璃・歌舞伎などの題材となっている。
(「うどんの基礎知識」より)

信太以外にも、信田・志乃田・志野田の字があてられる場合があるようですが、僕の記憶にあるのはやっぱり「しのだ」。なんかやさしい雰囲気の言葉ですごく好きなんですけど、身の回りではもうほとんど聞かれなくなりました。

大阪を舞台にしたドラマなんかで「けつねうろん」などと言っているシーンを見かけることがありますが、現実にはそういうシーンに出くわしたことはありません。そういや、博多には「かろのうろん」がありますよね。

十数年前、初めて北海道に行った時、「ザンギ」なる食べ物の正体がわからず想像たくましくしていたところ、それが「(鶏肉の)カラアゲ」のことだと知って驚いた記憶があります。この呼び名はまだまだ現役バリバリのようですが、いつまでも使われて欲しいなと思っています。

Comments

ぷるみえ2004/09/25 10:38 AM

ザンギに思わず反応してしまいました。単なる鶏唐揚げなのですが、ザンギっていわれたほうが食欲そそるんですよね、なぜか。

関東にあって関西にない「大阪焼き」ってご存じですか?
丸い型にお好み焼きの具を入れて焼いた屋台の食べ物なんですが、これが好きなんですよ〜。型くずれしないのでお好み焼きより食べやすいんです。

『トリしばきにいく』
かっちょええ! 一度でいいから言ってみたい(笑)。

ish2004/09/25 12:25 PM

ぷるみえさん> 
大阪焼き、知ってますよ!真ん中に玉子が入ってるんですよね。こちらの縁日なんかでもたまに見かけます。お好み焼きを歩きながら食べられるように工夫した「箸巻きお好み焼」というのもありますね。

ザンギネタは、ぷるみえさんのコメントを期待して書きました(笑)
この間札幌に行った時、「鮭のザンギ」というメニューを見かけました。「ザンギ=鶏唐揚げ」から、単なる「唐揚げ」に意味が変化してきてるんでしょうか。

ぺんぺん2004/09/25 01:07 PM

がぁぁぁん!!(←ちょっと古い、ショックの音。笑)

「かしわ」
って使われてないのか・・・ないのか・・ないのか・・(←エコー。)
ぺんぺん、普通に使います。
ちなみに25歳。
自分の感覚にあせりを感じた一瞬でした。

ish2004/09/25 02:01 PM

ぺんぺんさん> そんな、がぁぁぁんってならなくていいと思いますよ(笑)
あくまで僕の身の回りの話であって、地域差があるはずだしね。

昔からの言葉を今も使っているかどうかよりも、今の(はやりの)言葉を使っているかどうかのほうが年代差が表れると思います。
最近の「彼氏」って言葉のアクセント、僕なんかには気持ち悪くてしかたがない。おっさんと言われてもええわい!気持ち悪いもんは気持ち悪い!

sarutobi2004/09/27 08:08 AM

遅くからお邪魔します〜。
「かしわ」使ってますよー。あと「トリ」って言う人も多いかなぁ。「トリのたいたん」とか「トリの唐揚げ」とか、「鶏肉」とは言わないなぁ。

子供が生まれてからは、方言、というよりも「おばあちゃん言葉(?)」をよく使うようになりました。自分が幼い頃に言われていた慣れ親しんだ言葉達ですね。名前のはじめに「お」が付くのとかも好きです(ex.おなす・お大根・おりんご……)。

「お国言葉」は大事だと思っているので、出来るだけ使いたいなぁ〜って思っています。例えば、「お大根の炊いたん」とかも、「大根の煮物」とはまたちょっと雰囲気が違うんですよね。同じ料理でも。うまく言えないけれど。

そうそう、こちらでは「ちゃー、しばきにいかへんか〜(お茶しにいく?の意)」というのが一時期流行りました(笑)。

ish2004/09/27 10:08 AM

sarutobiさん>
「お」をつける以外に、「さん」をつけるのってありますよね。「おいなりさん」とか「おかいさん」(おかゆ)とか。こういう言葉遣いも好きです。

>「ちゃー、しばきにいかへんか〜(お茶しにいく?の意)」というのが一時期流行りました(笑)
そうそう。もちろん「トリしばく」の原点は、この有名な「ちゃーしばく」です(笑)

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snail*blog2004/09/29 10:40 AM

かしわご飯弁当。 前の沖縄フェアのジューシィご飯弁当のご飯がかしわご飯に変わっただけっぽい。 ジューシィご飯よりかしわご飯の方が好み。 こんな中身のないエントリーで申し訳ないけどishさん@foodish : ”雑”食記 にトラックバック。 九州でも鶏肉をかしわと

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