【旧】foodish：”雑”食記

先日、兵庫県立美術館で行われている東山魁夷展に行ってきました。
神戸は東山さんにとってゆかりの地、今回は東山さんが亡くなられて初めての大規模な展覧会だそうです。

僕は東山さんの絵が大好きで、これまでも展覧会があるごとに作品を拝見してきました。あまりにも有名ゆえ、俗だとおっしゃる方もいるかもしれませんが、これだけ多くの人達の共感を得るのはやはり並大抵のことではありません。
東山さんの絵は、静謐で温かく、時に力強い。やさしい人柄が絵から滲んできて、何事か語りかけられているような気になってきます。

ところがです。今回の展覧会で僕としては初めて見るある作品に、度肝を抜かれてしまいました。まさに「ビックラこいた」というのがぴったり。(古ぅ〜)

「悠紀地方風俗歌屏風」というこの作品は、皇居豊明殿に飾られるために制作されたそうです。その制作依頼の主旨からして、華やかであることは当然。
でもですねえ、今まで持っていた東山さんのイメージとは大きく違い、(失礼な言い方かもしれませんが)一瞬、横尾忠則さんの作品かと思ってしまうようなポップさなのです。いや、決して悪い意味で言っているのではなく、逆の意味で、「こりゃあすごいなあ」と感動したんですよ。
この作品が描かれたのは1990年、東山さんが82歳の時。
この年齢で、この色使いをなさるとは、なんという若さ、柔軟さ、力強さ！
あらためてすごいなあ〜と感じ入った次第です。

この作品、ネットで検索すれば見つかりますが、やはり大きさといい色といい、実物とは比べものになりません(当たり前)。まだ期間もありますので、是非とも兵庫県立美術館でご覧になって下さい。もちろん他の作品も素晴らしいですよ。