【旧】foodish：”雑”食記

もうかな〜り以前に京都に住んでいたのですが、その頃にもあったはずの「静」のことは少し以前にsaruさんに教えてもらうまで知りませんでした。
…でも、知らなくてもしゃあないわなって感じ。当時住んでた一乗寺から四条近辺に飲みに出てくることなんてほとんどなかったし、ものすごく細い路地の奥だし、いかにも古っぽくてぽつんと看板出てるだけなんで怖くて戸を開けるのに勇気いるし。


店内はほの暗く昭和レトロな雰囲気がムンムン。年季の入った建物に加え、壁という壁は落書きだらけ、店内に飾られた色んな大学との繋がりある品々など、一昔前なら(今でも？)哲学やらなんやらガンガン語っていそうな空気が漂っています。お店のロケーションとも相まって、見た目だけでもある一面の京都らしさがたっぷり味わえます。


メニューを見ると、いかにもオッサン系のラインナップで値段もそこそこ。これくらいの値段じゃないと学生さんが来るわけないわなあと思う一方、こんなシブいメニューで今の若い奴らの胃は満足するんだろうかとも。おふくろの味っぽいのが欲しいときには最適なんでしょうがねえ。(メニュー以外に、鍋もできるそうです)


入店したのは宵の口、まず手始めにビールと、最近は目についたら必ずオーダーしてしまうおから(370円)。開店して間もなかったからなのかこの店の流儀かはわかりませんが、あったかい状態で出てきて、予想外にしっかりした味付けでこれはこれで好み。色んなものが細かく丁寧に刻まれていて(ゴボウ入り？)、こりゃあどう考えても日本酒やったなあみたいなおいしさでした。


続いて野菜天(580円)とあじの南蛮漬け(460円)。前者はちょっと油ぎれイマイチでしたが、南蛮漬はこれまたビールやご飯に合う味付け。


小芋煮(420円)もなんだかほっこり。いずれも特段変わったものではないけれど、まるで友達の家にでも遊びに行って「あんたも食べて行きなさい」って言われたときみたいな感覚です。まあガキの頃ならビールはついてくるはずないけど。

京都一の繁華街・四条河原町からほんの数分で、人混みもなく文字通り「静」な全くの別世界が存在する懐の深さは、さすが京都。店構えからしても立地からしても、全くのフリで入ることはまずないでしょう。色んな意味でいいお店です。
学生でいっぱいの時でも「静か」なんだろか、とちょっと気になったりして。


{お店データ}
住所：京都府京都市中京区新京極通四条上る中之町577
電話：075-221-5148　営業時間：17時半〜23時　定休日：月曜