【旧】foodish：”雑”食記

かなり前、foodishで「神戸元町別館牡丹園」についてエントリーしましたが、その最後のほうに「『西神戸牡丹園』という裏ネタがある」と書きました。ずっとそのことは頭にあったのですがなかなか機会がなく、そのうちにと思っていたところ、今日やっと久々に行くことができました。

以前のエントリーにも書いたように、神戸元町別館牡丹園には本館というものはなく、千里阪急に支店があるのみ。似たような名前のお店が他にもあるようですが、無関係ということだそうです。
(追記：その後千里阪急店は閉店、代わって大阪梅田エスト店ができました)
ならば、西神戸牡丹園とはどういうお店なのか。
かつて｢あまから手帖｣という雑誌で読んだ記事の内容を記憶をたどって書くと、西神戸牡丹園の店主・魏振興さんは、かつて神戸元町別館牡丹園で先代店主・王熾炳さんの右腕と呼ばれていた方だそうで(番頭格といったところでしょうか)、その功績が故に暖簾分けを認められたそうです。(記憶間違いあればごめんなさい)
支店が一つしかないこのお店から暖簾分けを認められるということは、余程のことなのでしょうね。

僕はこのあまから手帖の記事で西神戸牡丹園のことを知り、初めて行ったのが10年少し前。その後、あの阪神淡路大震災で、このお店がある新長田地区は大きな打撃を受けてしまいました。地震以降のことはあまり詳しく知らないのですが、風の便りに、お店はかろうじて火災を免れ、しばらく後に再開、その後またお休みされていたとの話を聞き、どうなったか心配していたのですが、数年前から元のお店のすぐ近くの｢アスタくにづか3番館｣へ移転されました。

新長田地区は僕の自宅から車なら10分程度。すぐ近くには｢琉球ワールド｣もある位なので、その気になればいつだって来れていたのだけれど、いつでも来れると思うが故に余計に延び延びになってしまい、ご紹介が今日になってしまいました(^^;

さて、こちらのお店、新長田という庶民的な土地柄にありながら、意外な点があります。
まず、店内がとても洗練された雰囲気であること。およそぶっちゃけ気味のこのあたりのトーン(失礼)とはかなり違います。もう一つは、予想以上に値段が高いこと。元町あたりとほとんど変わらないその設定をどう捉えるかは、個々の判断にお任せすることをあらかじめお断りしておきます。

お店に用意されているメニューを開いてみると、それなりのバラエティに富んではいるものの、さほど変わった料理があるわけではありません。で、店内を見渡してみると、さりげなく置かれた季節メニューが。さすがというかなんというか、そこには南京町なんかでもあまり目にしないような珍し系がそろっており、さすが先代・王さんの片腕と思わせるものが感じられます。

僕はこれまでこのお店に5,6回来たことがありますが、そのほとんどはこれを食べるために来たようなものです。


炒飯・700円。神戸元町別館牡丹園のが一番好きと書いたことがありますが、これは別格。My favorite 炒飯です、ここのはやっぱり。
久々に食べましたが、堅めのご飯、油の絡み方、幾分濃い目の味付け、香ばしい香り、ぱらっとした仕上がり。パーフェクトです。これ以上の炒飯を食べたことはないと言っていいくらい、むっちゃおいしいです、僕にとっては！＼(^O^)／

無論炒飯だけがおいしいのではなく、その他の品々も高レベル。昔冬場に食べた、カキの中華風お好み焼は今でも想い出に残っています。
帰り際に厨房を覗いたら、魏さんのお姿が見えました。髪の毛はかなり白くなっているものの、まだまだ元気一杯の表情が頼もしく感じられました。
新長田まで足を運ぶのはけっこう大変かもしれませんが、琉球ワールドをはじめこの近辺にもおもしろいところが一杯あるので､是非一度お運びくださいね。

{お店データ}(西神戸牡丹園)
住所：神戸市長田区久保町5-1-1-133(アスタくにづか3番館)
電話：078ｰ641-0005　定休日：水曜日
営業時間：11時45分〜15時、17時半〜21時

追記：店名を｢西神戸別館牡丹園｣から｢西神戸牡丹園｣に修正しました。