【旧】foodish:”雑”食記

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不思議なお店・辯財門(夙川)

Posted ish / 2007.04.10 Tuesday / 12:05

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日曜日のこと、オープンしたばかりの「さくら夙川」駅までJRで行き、川沿いに花見歩きをしに行って来ました。満開・日曜・いかにもな名前の新駅の3要素が相まって、どれだけ混雑しているのかという変な興味もあったのですが、お昼過ぎてからだったからかそれほどメチャクチャな混みようでもありませんでした。


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で、阪急夙川駅までたどり着き、周辺をウロウロしていたら不思議なお店発見。「辯財門(べんざいもん)」という画数の多い店名、歌舞伎だか能だか狂言だかのシーンのような絵、「特製寒天でおいしいヘルシーダイエット」と書かれている立て看板。一瞬、アブナイ健康食品のお店かなと思いました。
ところが、お店左側の窓の上にある小さな電光掲示板?(写真参照)に「すし」とかなんやらという文字が流れるのを妻が発見。え?この店なんなんやろとお店の中を覗こうとしたら…入り口がいきなり開き、中村玉緒さんっぽいご婦人に「どうぞどうぞ、中に入ってみてください」と呼び込みされてしまいました。

ほんとうにヤバイと思ったらすかさず逃げるのですが、そんな風でもなかったしイートインもやってるようなので、とにかく入ってみました。店内は外観同様新しくて明るく、喫茶店のようなテーブルセットが何組かあり、初老のおじさま方が談笑中。入り口入ってすぐ左手にショーケースがあり、この中の商品見本と品書きを元に、玉緒さんが説明をし始めます。
まず薦められたのは、何故かジャーマンコンビーフ(!)。Meetsの4月号にも取りあげられており、脂分控えめの自信作とかで試食させていただきました。トアロード・デリカテッセンのソーセージみたいな感じかな。(追記:「うまから手帖」にコンビーフのエントリあり)
その他商品ラインナップは、看板に出ていた寒天の他、(魚の)昆布締め・折り詰め寿司。なんともハテナな組み合わせやなあと思っていたら、玉緒さん曰く「変な取り合わせやなあってよく言われるんですよ」とこちらの気持ちを代弁してくれたのですが、そのタイミングがおかしくて、妻と共に大爆笑。なんともイイ味してはります。

で、総体的にやや難アリなのは、けっこう値段が高いこと。コンビーフは200gで3150円、各種折り詰め寿司も3000円前後。試食させてもらったとはいえ、なにも買わずに出ても良かったのですが、この折り詰め寿司の見本写真がむっちゃ美しい。そっちのほうに話を振るとオーナーらしき方(玉緒さんのご主人?)が出てこられ、色々と説明してくださいました。
  • お店が出来たのは昨年12月。
  • そこそこのお年なので「前は何をやってらしたのですか」と伺ったら、以前は駐車場だったが街を明るくするためにお店を始めたとのこと。(そういうこと訊いたんやないねんけど、まあええか♪)
  • 電光掲示板に寿司のことを表示させているのに、なかなかそれを見てくれるお客さんがいないんですよ〜。(←そりゃああれでは見えません…)
  • 今日ある寿司は2種。あなごと、もう一種はいいまぐろがはいらなかったので、裏メニューとしてカジキで代用したのと。値段も下げてます。とにかく最高の材料使ってます。

玉緒さんとはまた違ったキャラですが、この方も不思議なテンションをお持ちで興味深い。とにかくご両人ともニコニコと明るく、どういう人なんやろうと好奇心を起こさせる、おもしろい方でした。


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で、こちらが買って帰ったあなご寿司。美しいでしょ?
ただし、18×12×4cmの折に入って3150円なので、かなりのお値段です。バックの生地は、お店でいただいた日本手ぬぐい。鮮やかな色の組み合わせが力強さを感じさせます。

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綺麗に切りそろえられた錦糸玉子の下に、敷き詰められた焼穴子が隠れています。盛りつけに、只者でない気配を感じます。

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折からお皿にとって食べてみました。正直なところ、おいしんだけど、びっくりするほどのおいしさは感じませんでした。あなごも錦糸玉子もシャリも、主張しない穏やかな味。品がいいとか奥が深いとでも表現すればいいのでしょうか。僕にはまだ価値がわからない類のおいしさなのかもしれません(寿司ではないけれど、焼きあなごの弁当といえばどうしても「うえののあなごめし」と比較してしまうせいもあると思います)。なので、エントリしようかどうか迷ったのですが、とにかくお店のご両人の持っていらっしゃる空気みたいなものがとても好みに合いました。

参考サイト:辯財門HP

メニューページを是非ご覧になってみて下さい。当日見せていただいたカジキマグロの寿司も大変魅力的でしたが、卯の花寿司・白玉寿司(「しら」さ海老+「玉」子)もたいそう美しいルックスです。
こちらのお店、いずれのメニューもそれなりの価格がします。それがどう受け止められるのか。夙川あたりでは当たり前なんかなあとも思いますが、興味深いところです。


{お店データ}
住所:西宮市羽衣町7-33 電話:0798-36-3339
営業時間:10時〜14時、16時〜20時 定休日:水曜

Comments

おがちゃん2007/04/10 12:19 PM

HPを見ると、寒天もかなりの値段ですな。
ヘルシーダイエットができる前に、財布がダイエットされそうです(笑)。

ish2007/04/10 12:39 PM

おがちゃん>
そうなんですよ。寒天に関しては特にそう思いますね。
でも値段のことはおいといて、なんか魅力を感じたんですよね〜。何なんやろ?

sakotinn2007/04/10 01:26 PM

サクラの写真きれいですね。
やっぱり大きい画像のほうが迫力あるね。
ダイレクトに美しさが伝わります!

kuro2007/04/10 04:18 PM

不思議さ満載のお店ですね〜。
すっかり店主が『玉緒さん』と命名されているのが
笑っちゃいました。面白そうなお店だなぁ。
値段・・。買おうとして値段を見て、げっ!と思った時、
以前は断れず泣く泣く買ってしまう私でしたが、
この間某デパ地下で『スジのどて焼き?どて煮込み?』を父に買おうとして200g1050円にびっくり。ほんのちょっと。
半分こんにゃくやん!しかも味噌だれいっぱいやん!
そんなけで?作った方がエエやん!にふと我に帰り・・
あ・・ちょっと考えます。って言っちゃいました。
言えるやん!私!よくがんばった!と。
オバちゃん街道まっしぐらです。

ish2007/04/10 05:54 PM

sakotinnさん>
サクラの写真は難しいです。
…って他が上手に撮れてるわけでもないですけど。

kuroさん>
面白いお店でしょう?品揃えもさることながら、お二人のキャラがなんともいえず味がありました。すっごく真面目な方々なんですけどね。

買い物する時、値段見てから断れなかったんですか?
今度何か売りつけに行ってやろ〜っと。

kuro2007/04/10 08:19 PM

私が値段見ないで買おうとするモノって
たががしれています(笑)
まさかあの少量の『どて焼き?どて煮込み?』が
そんなに高いとは思わなかったんです(しつこい(笑))
父なら1000円出すんだったら柿の葉寿司のが喜ぶわ!と。

何を売りつけにきてくださるんですか?ナンダロ?
もちろん美味しいモンですよね〜(笑)
下戸で世界三大珍味が苦手な下町育ちの私向けのモンに
してくださいよ〜っと。

K1郎2007/04/11 07:47 AM

私もこの店行ったことあります。
缶詰の10倍の値段のコンビーフ、なかなか美味しかったですよ↓
http://umakara.blog67.fc2.com/blog-entry-620.html
 
寒天も買ったことありますが、甘さ控え目のアッサリ味で、子供には不評でした。美味しいけどやはり値段が・・・(^^;)

店内で食事もできるし、酒や酒肴もあるみたいでした。
持ち帰りのコンビーフを注文して待ってる間、「玉緒」さんがいろいろ話しかけてくれたり、ゼリー(サービス)を出してくれたりでした。で、店の前の看板を見て立ち止まる人がいると、食事中のお客さんが「ほれほれ、お客やで。声かけてき」と「玉緒」さんを送り出してました。常連客が積極的営業作戦の手伝いをしてるんですね。
まぁ、いろんな意味で変わった店です。
 
TBしておきました。

ish2007/04/11 10:18 AM

kuroさん>
美味しいモンとなると難しいですね〜
kuroさんとこ、色んなものが届いてるしちょっとやそっとではかないません。

K1郎さん>
すっかり「玉緒さん」が定着してしまいましたかね(笑)

僕もコンビーフは試食しましたが、通常の缶詰コンビーフのイメージとは全然違いますね。でもやっぱりあの値段は…
試食した時、「200gってスライスで何枚くらいやろか?」と思いましたが、見当つきませんでした。

せっかくTBしていただいたのに、はじいてしまっているようで、申し訳ありません。原因を調べてみたのですが、今のところ不明で、とりあえず設定を変えてみました。
これにこりずにまたお願いします。

akidas2007/04/12 06:03 PM

私も玉緒さんに呼び止められました。私たちも玉緒さんと命名してました(^-^)
あまりに親切に話してくださったので、ゼリーのただ食いで帰るわけにもいかず、コンビーフ買いました。(お寿司より安かったので)
6枚入りだったと思います。おいしかったですよ。レタスに巻いて食べました(夫や娘には値段言わなかったので、美味しい!と単純に喜んで食べてました)
素材にもこだわっていいものを提供してらっしゃるのでしょうけど、ちょっと高いですよね。でも、きっと、あの値段が高いと感じられない暮らしのご夫婦なんじゃないでしょうか。お客様も値段じゃない、いいものを食べたい人たちなのかも。
駅近の一等地だし、もっと展開の仕方ありそうで、提案にいきたいぐらいです。

でも、玉緒さん、クセになりますね

ish2007/04/12 09:13 PM

akidasさん>
もはやキャッチセールスとしか思えないですね(爆) (←ウソ)
そうですか、やっぱり玉緒さんだと思ったでしょ。
コンビーフ6枚ということは、1枚あたり515円っすか?高っ!
確かに素材にこだわってるのはわかるんですがねえ…

ピイ2007/04/14 11:05 PM

今日,妻の母がこの店に引っかかって,タッカいアナゴ寿司買って(買わされて?)来ました。で,夫婦で食べてみました。以下はそのときの感想です。
「....。」
「3,000円って味じゃないよね...。」
「姫路で食べた煮アナゴ弁当の方が数万倍うまかった。」
母によると,素材にいかにこだわっているかを延々聞かされたそうです。でも能書きはいい。大事なのは味!

ish2007/04/15 12:16 AM

ピイさん>
少なくとも、お店の方は真面目な方だという印象を持ちました。「引っかける」などという意図は感じませんでしたよ。
コストに見合う価値があるかどうかは、それぞれの価値観次第なので、ピイさんがそう思われたのは残念なことだと思います。
大事なのは味、同感ですね。

2008/06/01 05:35 PM

はじめまして!!
西宮に住んでる者です。

このお店、いっつも車の中から見て
「怪しい怪しい・・」と思いつつ店の名前が
読み取れずにgoogleとかで必死になってさがしてたんですよ!!

こんなレポを書いて下さっていてめっちゃテンション上がりました!!

お寿司屋さんなんですね。
ほんっとうに気になってたので嬉しくて
ついコメントしてしまいました。

ish2008/06/01 10:48 PM

名なしさん>
お寿司もありますが、お寿司屋さんとは言い切れません。
HPを参考になさってくださいね。

ちーちゃん2011/07/13 11:46 AM

夙川の中村玉緒(私は夙玉と呼んでいます。)こと弁財門の女将さん、ただ者ではありません。

また、夙玉のお母さん(故人)は最強であったと記憶しています。

久しぶりに弁財門で一献かたむけたいこの頃です。

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うまから手帖2007/04/11 08:08 PM

左上:オレガノを効かせたいろいろ野菜のオーブン焼き左下:ローストポーク on オリーブ&松の実入りキャベツサラダ右上:西岡本「BENCH TIME」のゴルゴンゾーラ山食右下:夙川「辯財門」の自家製コンビーフ しかし〓¤〓〓〓c〓ķĤćķħiĿĀķb18_12_4cmĎċ〓ăĆ3150џĊĎćbīĊĪĎĪ...

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