【旧】foodish：”雑”食記

以前某所で「品川駅そばのエキュート品川でつばめグリルの弁当を売っている」という話を聞ききました。それ以来、もう十数年前に行ったきりの銀座本店に行ってみたいなあと思い続けていたところ、今回久しぶりにその機会が訪れました。

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1930年創業・つばめグリルの本店です。お店のネーミング、ネオンサインではなく電球寄せ集めの電飾看板がいい味出してますね。

15時頃と中途半端な時間に食べることになってしまったのですが、お昼休み休憩が当然の昨今、ぶっとおしで営業してくれているのはうれしいことです(ランチメニューは17時まで)。それを知ってか、そんな時間にもかかわらず一人女性客などでけっこうお店は賑わっていました。

全てのランチメニューについてくる、こちらの名物・トマトのファルシーサラダ。湯剥きしたトマトをくり抜き、チキンサラダを詰めてドレッシングをかけているそうです。「丸ごと」ってところがおもしろいしインパクトがありますよね。
ランチにはこの他パンかライスがついており、893円から1260円までの8種類。東京の洋食は高いというイメージがあるのに、銀座通りに面していてこの値段は老舗でないとできないなあと。

僕が選んだのは、定番・つばめ風ハンブルグステーキ(1260円)。注文したら、奥の調理場からペタペタとハンバーグの空気を抜く音が聞こえてきました。
運ばれてきた時がこの状態。熱々のスキレットの上には、皮ごと・丸ごとのベイクドポテトとクレソン、そしてぷっくら膨らんだアルミホイル。

…と、こうなるのはファンの方にはおなじみ。調理方法としても面白いし、演出効果的にもうまく考えられていますよね。

ハンバーグをふっくらとやわらかく焼き上げるのが「つばめグリル」の腕の見せどころ。焼き上がったら、同時に温めておいたパピヨットシチューと一緒にアルミホイルに包み、熱した鉄板の上へ。アルミホイルの中の水分が蒸発してふくれたら、「つばめ風ハンブルグステーキ」のできあがり。あつあつのベイクドポテトを添えて、お客様のテーブルに運ばれます。〜つばめグリルHPより

月並みにいうなら、ビーフシチューがけハンバーグステーキ・ホイル包み焼。グリルした挽肉とシチュー肉の2種が味わえる仕掛けですが、個人的には後者は不要かなと。というのもハンバーグだけで充分おいしいからで、レトロ系のソースと相まってまさにご飯に良く合う「ニッポンの洋食」って感じです。ベイクドポテトもボリュームがあってかなりの満腹。繰返しになりますが、すごく良心的な価格設定だと思います。

年月を経た厚みのある店構えと料理以外に、このお店のサービスも価値あるものです。ウエイター、レジ係ともそれなりに若い方々なのですが、(当たり前ながら)今日びのフェミレスとは雲泥の差。言葉使い・振る舞い・気遣い・いい意味でのアドリブ性など、「これぞ銀座」とでもいうような質の高さ・豊かさ・余裕を感じさせるものでした。

やっぱり昔からの東京はおもしろいしさすがだなと、今回改めて感じました。放っておけばどんどんなくなってしまうという点も含め、時間をかけて作られたものが貴重なのはどこの街でも同じ。大事にしたいものです。


{お店データ}（銀座通り本店)
住所：東京都中央区銀座1-8-20　電話：03-3561-3788
営業時間：11時30分〜22時15分　定休日：年末年始