【旧】foodish:”雑”食記

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豚まん、あるいは肉まん

Posted ish / 2004.03.11 Thursday / 10:38

冷凍庫やコンビニの普及と共に今や24時間入手可能になった豚まんは、
とても身近な食べ物の一つです。大手の井村屋さん初め、多くの表示は
「肉まん」。一方関西では圧倒的に「豚まん」です。
東京の人に「豚まんって言い方、すごくリアルでなんか関西らしい〜」と
言われたことがありますが、ごくごく日常的に使っている言葉なので、
「そういわれてもなあ、そんなもんかなあ」って感じなんですけど。

今はどうだか知りませんが、井村屋さんには「饅頭部」というセクションが
あったとのこと。その部署名が入った名刺を無性に欲しくなるのは僕だけ
なんやろか。
関西での超有名ブランドは、なんと言っても「551蓬莱」でしょう。あちこちに店舗はあるし、昔から個性的なテレビCFは関西人なら誰でも知ってます。大阪に本社がある蓬莱のHPは大阪弁バージョンと標準語バージョンがあり、このあたりもCF同様、商売上手やな〜って感じです。

神戸っ子のワタクシとしましては、蓬莱よりもやはり地元産の方がなじみがありますねえ。神戸は中華料理のお店が多いので、それに比例して色んな豚まんが楽しめる、その結果競争も激しい。神戸の豚まんレベル(そんなもんないでしょうが)は、かなり高いのではないかと思っております(^^ゞ
豚まんの要素はあんと皮。あんの違いももちろんのこと、好みの差は皮の差によるところが多いような気がします。僕の好みはややもちもち系で、コンビニや冷食に多い蒸しパン系のふわふわしたものはあまり好きではありません。飲茶で出てくるのもどちらかというと蒸しパン系が主流のようです。微妙な皮の差とあんの好み、その掛け合わせの数だけ人それぞれお気に入りの豚まんがある訳ですが、僕のオキニをいくつかご紹介します。

まずは、全国ブランドの「老祥記」。行列のできる店として、神戸の南京町(地元では中華街といわずにこう呼びます)で最も有名なお店でしょう。あのあたり一帯が現在のように整備される以前はこれ程まで行列ができることもなく、それはそれはオンボロなお店でした。今の老祥記店内に当時の店舗の扉が飾ってあるのをご存じの方もいらっしゃるかもしれませんね。ちょっと小ぶりの老祥記の豚まんは、30年程前に僕が初めて食べた時とほとんど変わらないような気がします。豚まんのみ・支店なしといういさぎよい姿勢には信頼が置けます。
ちなみに、老祥記より少し西側、元町商店街5丁目にある「老祥紀」(記ではなく紀)も古くからあるお店で、かつてはもう少し西の宇治川商店街にありました。なんでも2つのお店は遠い親戚に当たるとのことですが、どうも複雑な関係にある様子。ま、その辺はあまり深入りしないことにして、気にせず食べ比べもいいかも。おそらく原点は共通しているものの、微妙な差が感じられるはずです。

あれほどまでの行列に並ぶ気力が起こらない時は、老祥記から徒歩3分の「三ノ宮一貫楼」へ。ここも生まれた時から食べ続けている大好きなお店です。老祥記とは違い、基本的には中華料理屋さん。もちろん店内で食べることもできますし、持ち帰りや通販も可能。普通サイズで、タマネギの甘みが利いたあんとふっくらした皮からなる味は、僕にとって豚まんのスタンダードなんです。ああ、書いていたら食べたくなってきた…
テイクアウト専用窓口があるので、持ち帰りや買い食いも簡単。特筆すべきはこの窓口の女性陣、客あしらいが抜群にうまい。とにかく素早い、動きにムダがない、マニュアルくささもない、かといって愛想もかかさない。個人的には日本一のテイクアウト窓口やないかと思ってます。

最後は「春陽軒」。かつては中華料理屋さんでしたが、現在は豚まん専門店に。三ノ宮や元町から少し離れたところにあるので混み合うこともなく、観光客の方を見かけることもほとんどありません。ここも通販可能。あんに味噌味がついているのが特徴で、何も付けずに食べるのもオツなもんですが、特製味噌ダレをつけるのがやはりここの豚まんの正統?な食べ方。おそらくは肉の臭みを消す効果も考えて使い始めたのではないかと思われる、この個性的なダブル味噌味はけっこうクセになります。夜中に急に食べたくなる時がたまにあって困るんですよ。

この他にも好きな豚まんが一杯あるんですが、きりがないのでやめときます(笑)
神戸の人ならこれ読んで、「いや、こっちの店の方がおいしい」ってきっと思ってるでしょうねえ。

Comments

kamonegi2004/03/12 01:20 PM

ヒジョ〜に面白く読ませていただきました♪
私も三ヶ月に一度あたりのペースで、阪急電車に乗って南京町に遠征します。
神戸っ子ではない私が云うのもナンですが、ここ数年あの界隈も変わって来ましたねぇ。
特に、アヤシげな客引きしてくる飲茶屋(?)のキャッチ野郎が多いのには閉口します。
だからと云うわけではないのですが、週末などは北野の老香港酒家に鞍替えしたりします。

豚まんについてですが、南京町近辺の食材屋の冷凍モノでも、なかなか旨いのがありますね。
きっと「豚まん道」を極めた(^^;)お方なら「そんなもん論外やで」と仰るかも知れませんが、
大阪あたりの新々チャラチャラ飲茶屋で出てくる品よりは旨い場合があります。
厨房覗いてみれば、実は似たような品物だってりするんでしょうねぇ。

ish2004/03/13 10:57 AM

kamonegiさん、ありがとうございます。
楽しんで読んで頂けたようで、うれしいです(^^)v

老香港酒家、いいですね〜
実はあそこの話もいつか書こうと思っていたんです。といっても、
僕は夜には行ったことなくてお昼の飲茶バイキングしか経験ない
のですが。

確かにこの数年で南京町はかなり変わってしまいました。
個人的にはここ数年メインストリートのお店には入ってません。
路地を入ったところはそんなにうっとおしい雰囲気ではないので
たまに行きますが、南京町で中華を食べる気があんまり起こらない
ですね。

himawari2005/05/21 03:10 AM

一貫楼の豚マンは美味しいですね!
ここのお昼のテイクアウト用の
お弁当もかなり好きでした。
あまりに買いに行くのでお姉さんに顔を覚えられて
しまって、半年ぐらいご無沙汰して晩御飯を食べにいきまして、でも覚えてもらってないのに挨拶するのもなぁ〜なんて思ってましたら
「久しぶりですね!」って注文時に笑顔で言われて
なんだか嬉しかったです。
もっとベタでこってこてだと太平閣が子供時代の
思い出の味です。
話がそれますが
老祥記の南隣の魚屋さんのビルの2Fに
森田という鰻屋が昔あったんですが好きでした。
あとは南京町より少し西ですが
とんかつの大雄。こちらも閉店してしまいました。
高そうで実は以外にそうでもない伊藤グリルさんの
伊勢海老グリルはまだ健在のようです。
中華だけでなく多様な名店があるのが南京町で
あり続けて欲しいものだと切にそう願うのです。

ish2005/05/21 08:52 AM

himawariさん>
森田も2、3度行ったことありますよ。1階の川魚専門店さんの経営だったと記憶しているのですが、なくなったんですか。最近あまり気にしてなかったので知りませんでした。
大雄も懐かしいですね。

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