【旧】foodish:”雑”食記

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マストな店になってしまった「むろか」(本編)〜広島県満喫ツアー(4)

Posted ish / 2012.06.18 Monday / 14:00

【注:今回のエントリも写真がほとんどなく字数が多いので、嫌気がさしたら読み飛ばして下さい<(_ _)>】

ということで、前エントリ「むろか」(前説)の続きです。

むろか.JPG
デジカメの調子が悪かった+αの事情によりほとんど写真はないのですが、さすがに店構えがないと話にならんので、えて吉さんとこから上の写真を借用しました。
通りからはのれんが見えず、派手な看板もない凛とした店構え。何も知らなければ通り過ぎてしまうか、気づいても高そうな気がして入るにはなかなか勇気が要りますね。僕らは予約をしていたので、気後れすることなくほぼ時間どおりにお店到着。10数席あるL字型カウンターの角っこ近く、大将の目の前に案内されました。料理する手元が見える構造にはなってないんですが、それでも店の主人の真ん前ってのは運が良かったです。

あらかじめ電話で3000円のおまかせコースをお願いしていたので、オーダーは飲物のみ。最初はビール、その後僕は冷酒・えて吉さんはぬる燗に切り替えましたが、グラスにもビールにも日本酒にも、とにかくこだわりというか店の意思が強く感じられました。時としてそういうこだわりを押しつけがましく思う時があるけれど、この店ではそんな感じは全くなく、個人的にはただただ感心するばかりって感じでした。

この日は写真撮るのもほぼあきらめ、食べ・飲みに専念していたので、何を食べたのかの以下のメモもえて吉さん頼り。詳細はえて吉さんのエントリをご覧いただき、僕は僕なりのコメントを追加していきますね。料理名にリンクが張ってあるものは、むろかのサイトにジャンプします。是非クリックしてみて下さい。

以下、3000円コースの始まり始まり〜

1)アスパラのムース・鰹のジュレ
    出だしからいきなりヤラれた〜って感じで、小振りのカクテルグラスに薄緑のムースとキラキラジュレと軽く茹でたアスパラの穂先が、夏を感じさせてくれます。よくもまあここまで手間をかけるもんだと驚いてたら、以下全てのメニューがそうでした。
2)鰹のフライ入りミニバーガー
    ミニバーガーはこちらの定番、直径6,7cmのバンズはパン屋さんに特注、自家製にも調整中とか。意表を突く流れが面白いです。
3)トマトのサラダ詰め
    萼(がく)が着いた部分を薄く切り落とし、中心部をくり抜いてサラダが詰め込んでありました。柚子釜のトマト版ってところでしょうか。トマトそのものがおいしく、萼を残して蓋の部分もぜ〜んぶ食べ尽くしてしましました。
4)新たまねぎの丸焼き 2種類のチーズ詰め
    最初これが出てきた時、「なんじゃこれ?」って思いました。薄茶色の皮付き玉ねぎがお皿にドン。素材をそのまま載せてきたように見えても、手の込んだ仕事がなされていました。「皮をそのまま上に引っ張って下さい」と説明されてその通りやると、ずるっと皮が取れて、チーズを鋳込んだ新玉ねぎが現れる仕掛け。一旦皮を取ってチーズ仕込んで焼いてから(焼く前に?)皮をかぶせてるんですねえ。なんちゅうアイデア!
5)ここからはカウンターに置かれた、氷を詰めた竹筒の上に、ひとネタずつお刺身が出てくるという寿司屋感覚的食べ方。また「付け醤油は使わない」ってのが特徴です。
    ・ホタテ貝柱の昆布締め わさびのみ
    ・かつおのたたき 梅おろし
    ・炙った鯛 醤油?がついててわさびのみ
    ・だし巻き玉子穴子巻(カウンター席限定)
    イカ 削りカラスミ載せ(カウンター席限定)
    ・カンパチ おろしポン酢
    ・プチトマトの赤ヘル
    これが出てきて思わず大将に「すみません、写真撮っていいっすか?」と尋ねたら「どうぞどうぞ」と快諾してくれました。
    「C」マークはマヨネーズで書いてあります。芸が細かい!
    写真 12-06-07 18 42 06

    ・鱧の落とし 梅肉添え
    ミニアワビのおどり すだちを搾って
    こんなちっちゃいアワビ初めて見ました。
    玉子のモンブラン(カウンター席限定)
    酢飯の上に、玉子の黄身とマヨネーズを混ぜ合わせたものをさっと絞りかけてあります。どうってことない組み合わせなんだけど、遊び心が面白いし妙においしいんやなあ。

    一品一品の量が少ないとはいえ、このシリーズだけで10種も出てくるんですよ。これが3000円コースの一部なんだから、もうほんとに驚きです!
6)もずく酢の茶碗蒸し キューリのすり流し
    すんません、これはあまり記憶に残ってないです。
7)太刀魚の竹巻き焼き 沢ガニ添え
    リンク先の写真は太刀魚のみですが、出されてきた時には小さな沢ガニ一匹の素揚げが添えられていました。遊び心と季節感があって粋やなあと思いましたねえ。
8)鶏のコンフィー・自家製ブレンド香辛料カレー

    写真 12-06-07 19 25 41
    お店には単品メニューもあって、カレーもあるのは知ってたんです。でもこの流れでここで出てくるとは。骨がするっと抜けるほど火が通ってるのに表面がパリッとしてて不思議やなあと思ってたら、帰って調べてみたらコンフィーでした。カレーもスパイスの香りよく、これだけでもガッツリ食べたいくらい。これでこの店って「居酒屋」って名乗ってるところがすごい。
9)小さなへぎの折り箱に入った海老のお寿司
写真 12-06-07 19 33 25

写真 12-06-07 19 33 48
    これもこちらの定番だそうですが、中身は季節によって変わります。
    出てきて驚くのはサイズ。この折り箱、長辺で10cmほどしかなく、たばこよりちょっと小さいくらいなんですよ。また折りの上に載せられていおもて紙はおりおりで変わり、今回のには「半分過ぎた六月・・・はや〜いっ!!」って書いてあります。ということは、少なくとも半月ごとに変えてるのか…なんちゅうこだわりよう…
    ここまでのコースでもたいがいだったけど、個人的にはこれでもう完全にノックアウトされましたね。
10)トマトのすり流し
    すんません、前の料理がインパクトきつすぎたので、あまり記憶に残っていません。



ということで都合10品というか、途中の刺身?パートだけでも相当数あったので、実際にはもっともっと品数を食べたように感じました。食べ終わったところで、所要時間は2時間20分。予約時に2時間半の時間制限があったほぼその通り、次から次からあれやこれやと、本当においしく・たのしく・勉強になり・驚かされ・感心させられたひとときでした。

以下、雑感。
  • とにかく、料理を楽しもう、お客を喜ばせよう楽しませてやれ驚かせてやれというスピリッツに満ちあふれています。そのために、日夜頭も体もいっぱい使っておられることがビンビン伝わってきます。
  • 一品一品の量は少なくいい素材をつかておられ、とにかく手間がかかっています。店の大きさに比して、従業員さんの数がすごく多いのは、それだけ弟子希望が多いのか、手数が多いから手間もかけられるのか。
  • 現在は内装もおしゃれでイイ感じ。これだけの内容でこれだけの立地で人もたくさん雇ってて、なんでこんな値段でやっていけるの?物価がどうこうなんてレベルじゃないです、これは。
  • こんなに熱心に仕事をされているのを感じると、僕らももっと頑張らねば、という気にさせられました。なんかそういう不思議なやる気を起こさせるオーラを持っていますね。


いくつかあった広島の夜を過ごすプランの中からここを選んで本当に良かった。するっと予約できたけど、それも幸運だったみたいです(あっというまに満席になった)。今後広島に来たら、ここに行かないとすごく悔いが残ってしまう、あるいはこの店のためにわざわざ広島に来てもいい、初めての訪問で僕にとってもえて吉さんにとっても、「むろか」はそんな店になってしまいました。いやー、参りました。


{お店データ}
住所:広島市中区三川町6-3 電話:082-545-8822
営業時間:17時〜23時 定休日:日・祝

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