【旧】foodish：”雑”食記

薩摩料理の「きりしま」には少し前から目をつけていました。神戸で薩摩料理といえばここが有名でしょうが、こちらのお店も現在のビル(けっこうハデ)以前は隣のビルで営業されていたとのことで、いかにも南国出身という感じの人懐っこくって明るい女将さんが一人でお店を仕切られています。
単品メニューもありますが、大半の客が選ぶであろう「郷土料理コース」は、前菜(三種)+お造り+焼き物+スペアリブ甘辛煮+手作りさつま揚げ+雑炊+おつけもの+デザート、そしてそして、なんと焼酎を中心とした店内の各種飲み物が時間無制限で飲み放題！各種飲み物といってもありきたりな内容ではなく、レア物含めて総勢100種ほどとか。こんなんでほんまにええの？とこちらが心配になるほど豪快な内容です。


日によって郷土料理コースの内容は変わりますが、そのうちこのスペアリブ甘辛煮と次の写真の手作りさつま揚げは定番。お箸でつまめば骨からするっとはずれてくれる肉はホロホロ。恐らく黒砂糖を使われているのでしょう、付け合せの大根にも濃くて甘めの味がびっしりとしみこんでおり、焼酎ロックがすすみます。これ、ご飯のおかずとしても絶対おいしいはず。


この日は満席だったので、店を一人で切り盛りする女将さんは大忙し。奥の調理場でてきぱき段取りを整え、しょうが醤油を添えて出てきたさつま揚げはアツアツ・ブリブリ。具は入っておらず、淡白なすり身のみのシンプル＆ストレートさがいいです。


こちらが「各種飲み物」の一部。カウンター席の背中側一面に、芋・麦・黒糖などの焼酎を中心に、その他泡盛やら梅酒やらウイスキーやらがびっしり。女将さんいわく、「お店作る時に焼酎の棚のことばっかり考えてて、お客さんの荷物置く場所のこと忘れてたんよ、ワハハ！」とのことで、それくらいリキが入ってます。

銘柄に詳しくない僕でも、見たことないのがいっぱいなことくらいはわかります。あれもこれも面白そうやなあと思ってしばらく眺めていたものの、はて待てよ、ところでこれをどういう風に注文したらいいのか。お店の人は女将さん一人だし、カウンターの中で料理作りに忙しそうだし。で、尋ねてみたら、「飲みたいなと思ったら自分でボトルを取りに行って、好きなだけ飲んで下さ〜い。なにぶん一人でやってるもんで手が足りないから、これがうちのスタイルなんよ〜」だと。
うーむ。かなりのレアものもあるという話なのに、こんなに自由に(言い換えれば「ほったらかし」に)、しかも時間無制限に飲んでもいいのだろうか。…なんて思ったのは最初だけ。じきに慣れっこになって、棚の前をウロウロしては気になったボトルを次から次に取り上げ、自分のグラスにドボドボ。値段のことを気にせず好きなように飲めて、こりゃなんとも太っ腹なシステムですね。最初だけ生ビール、その後なんだかんだと7種類ほど飲んだにもかかわらず、翌日はスコーンと爽快(もともと二日酔いしないんだけど)。同郷の料理と酒って合うんでしょうね、やっぱり。

料理ももちろんおいしくて量的にも充分、コース内容以外にオマケも出てきましたよ。それよりなにより、焼酎好きの人ならたまらん店ですよ、ここは。くれぐれも飲みつぶさないで下さいね、誰かさん。


{お店データ}
住所：神戸市中央区中山手通1-9-2 モザンビル2F　電話：078-333-8288
営業時間：17時〜24時　定休日：日・祝