【旧】foodish：”雑”食記

神戸で言えば三宮や元町などの中心部をちょっとはずれたゾーンに、おやこんなお店がと思うようなレストランを時々見かけます。今回の「ペルドマーニ」もそういう一軒。こちらのお店、2001年の12月にできたそうですが、僕の自宅から少々歩いた位置にあり、「あれっ、こんなところにイタ飯屋さんができてる〜」と気づいてはおりました。ただし、バリバリの下町に立地するが故、先行きどうなるのか見定めてから(失礼)と思い、これまで機会をうかがっていました。

こういう行動って意地悪と思われても仕方がないんですが、本当はすごく期待してるんですよ。居酒屋や食堂ではなく、本格的なイタリアンやフレンチを下町で根付かせるのはとても難しいことだと思います。物価が安いというメリットもあるかもしれませんが、高い値段設定はしにくいし。
遠くから客を呼び寄せるだけの力があるか、あるいは地元の人に愛される存在になるか、どちらにしても生半可なお店なら長続きするはずがありません。わざわざ中心部を外れた所に店を出すのは、それなりの理由や勝算があってのはず。そうした厳しい条件の中での長続きは、それだけ「何か」があることの証明の一つだろうし、是非ともそのチャレンジ精神を実らせて欲しいと常々思っています。
なんだかんだ言っても、地元においしいお店があるのは嬉しいことですしね(^^)


さて、イタリア国旗はためく外観はこんな感じ。並びは居酒屋・不動産屋・八百屋など極めて庶民的な感じで、肩肘張らずに気軽に入れる街並みです。

お店の外にある手書きメニュー。右はランチ、左はこのサイズでは読み切れないほどぎっしり書き込まれたアラカルト。これ見ただけで、お決まりの料理だけでなく、旬の安くておいしい素材を使って一所懸命やってるんやなあというあったかい雰囲気が伝わってきますね。(HPでもメニューが紹介されています)

お店の中は４人がけと２人がけのテーブル席が２つずつとカウンターが５席(だったと思う)でこじんまりしており、僕が行ったランチタイムには、シェフと奥様とおぼしき方のお二人だけでお店を切り盛りされていました。
この日選んだのは、自家製パンチェッタとブロッコリーのトマトスパゲティ(900円)。自家製パン食べ放題かつスパゲティなら大盛り無料(追記：現在はプラス100円)、ソフトドリンク付きでリーズナブル。ちなみにパンチェッタとは、塩付けした豚ばら肉を自然の空気で乾燥熟成させたものだそうで、HPからリンクされているシェフのブログに作り方の様子が紹介されています。

運ばれてきたパスタは、トマトソースの赤とブロッコリの緑のコントラストがきれい、所々に細め拍子木切りパンチェッタがからまっています。このパンチェッタ、HPで生ベーコンと書かれているように、スモークされておらず塩で豚肉の旨味を凝縮させた代物ゆえ、噛みしめるとじわーっといい味がしみ出てきます。これはこれで単独で味わってみたいなあというのが正直な感想。
パスタを大盛りでお願いしたせいか(そんなことはないと思うけど)、個人的には若干塩味が足らないような気がしました。パンチェッタの塩味を計算してのことでしょうが、下町にはやや濃い目が似合うような気がします。

ランチでお試ししてみましたが、メニューを見ての通り、このお店の真の魅力は夜にこそ発揮されているような気がします。地元産の魚介類や野菜を使ったその日の仕入れで決まる各種料理には、これどんなんやろと好奇心をくすぐられるものがいっぱい。ある日のメニュー、「筍のグリル・花わさびとリコッタチーズ添え」とか「天こちのデュラム粉揚げバルサミコ風味のサラダ仕立て」なんておもしろそうでワクワクするじゃないですか〜。自家製パンチェッタもそのままいってみたい気もするし、どう考えてもワインがガンガン進みそうな予感です。自宅近くにいいお店ができて、うれしいなあ。

{お店データ}
住所：神戸市兵庫区中道通7-3-6兼井ビル1F
電話：078-512-5517
営業時間：11時半〜14時、17時〜22時　定休日：水曜（祝祭日は営業）