【旧】foodish:”雑”食記

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初めての東北(5)〜憧れの「酸ヶ湯」へ

Posted ish / 2010.09.30 Thursday / 10:56

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酸ヶ湯」と書いて「すかゆ」と読むこの一軒宿の温泉のことを知ったのは、いつのことだったか忘れるくらいもう随分昔のことです。いつか行ってみたいと思っていたその酸ヶ湯がある、本州の北の端っこ青森県の八甲田山のふもとにとうとうやって来ることができました。

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名前の由来は、鹿が傷を癒していた鹿湯(しかゆ)」の音(おん)が変化してし「酸ヶ湯(すかゆ)」になったという説と、文字通りお湯が酸っぱいから、という二説があるそうな。青森市内から車で1時間と、勝手に持っていたほどの秘境のイメージではないものの、あたりは自然がたっぷりで空気も澄んで清々しいです。

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そうした環境の中にある、建物そのものもこちらの魅力の一つ。建て増しが重ねられ迷路のようになった構造と、年月を経ていい感じに古びた部材が、適度な不気味さのようなもの(決して不快ではない)を醸し出して、独特の魅力を作り出していると思います。

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9月の金曜ということでそれほど混み合っていなかったせいか、ゆったりした角部屋に通してくれました。3人でこの広さなら充分。窓との間に廊下部分があるので、余計に広々感じます。
酸ヶ湯にでは、僕らが利用した「旅館部」以外に「湯治部」という別システムがあり、長期で湯治する方のために自炊も可能です。いいなあ、そういうのやってみたいなあ。

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そしてもう一つ、最大のウリが、ヒバ材でできた160畳の大混浴風呂「ヒバ千人風呂」。ほんとに千人入れるかどうかは置いといて、このスケールだけでもすごいのに、それがまた混浴とはなおすごい。(変な意味ではないですよw)

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残念ながらというか当然ながら、千人風呂の中は撮影厳禁なので、中の様子はこちらをご参考下さい。←のリンク先の風呂場図面を見ると、まるっきり男女の仕切りがないように見えますが、実際には女性用脱衣所〜風呂場への動線〜浴槽とついたてがあり、男性側からは見えない(厳密には「見えにくい」)ようになっています。本来混浴は老若男女問わずおおらかに温泉を楽しむものなのに、マナーを守らない男性客がいるのでこのように仕切りができたとか。また8時〜9時、20時〜21時は男性は入れなくなったこともあり、女性にとっては以前より入りやすくなりました。
とはいえ、昔からのスタイルを守ろうと「酸ヶ湯温泉混浴を守る会」なんてのもあるそうで、なんとなくその気持ちもわかります。恐らく僕的には初めての混浴経験でしたが、何度か女性を見かけたものの、いいかっこ言う訳じゃなく、例えば絵とか彫刻のヌード見てるみたいな感じで、その手のヘンな気は起こりませんでしたがねえ。まあ場合にもよるんでしょうがw 妙な仕切りがあるというのも不自然だし無粋なので、「見ればまいね 見せればまいね(見たらいけません 見せたらいけません)」のマナーを守って温泉を楽しみたいものですね。

とにかくでっかくて薄暗くて硫黄の匂いプンプンしててお湯がたっぷりでのどかで、ほんとにここはいい温泉でした。連泊したかった〜♨


見ていただきたい写真が他にもあるので、スライドショーを作りました。上に使ったのと同じのもありますが、コメントもつけましたのでどうぞご覧下さい。



さて、次は食事。酸ヶ湯の近くには食べ物屋さんなんてないので、ここで泊まるなら大概は2食付きにするか、前述のように自炊するかになります。今回は旅館部利用の1泊2食付き税サ込みの@10,200円でした。


(以下の写真は全てクリックで大きくなります}


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山の中の一軒家温泉旅館ったって甘く見てはいけません。メニューを見れば、バリバリの懐石風。是非クリックしてアップでご覧下さい。

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夕食は部屋に用意してくれます。お風呂に入ってて帰ってきたらこのお膳がドーンと据えられていて、ちょっとびっくりしました。
以下、メニュー順に写真を並べてみました。先の乳頭温泉同様無意味に刺身なんてなく、地元素材を使った多彩な料理に目移りしてしまいます。

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「食べたことがないものはあっても食べられないものがない」と豪語している僕にとって、唯一の例外がホヤ。関西だとあまり食べる機会がないのですが、とうとうここで出くわしてしまいました(上の写真右列の上から3つめ)。もちろんトライしましたよ。でも、やっぱりなんかだめでした。あの海臭さがあかんねんなあ…

その他はどれもおいしくいただきました。ただねえ、正直なところ、ここだけじゃなくって旅館の料理って品数多すぎ・頑張りすぎだと思うんですよ。もちろん原因は客側がそれを求めて、旅行会社がどんどん焚きつけてこういうことになったんでしょうけど、なんぼハレの日だといったって、これほどの量はけっこう大食いでないと食べきれなくてもったいないです。おいしいだけに残さず全部食べたかったんだけど、僕でも食べきるのは無理でした。
帰ってから、この宿をスキーで何度か使ったことがある同僚に話すと、品数の少ない食事とかサイドメニューなんかもあるそうです。そりゃあ連泊するなら毎晩これでは参るでしょうなあ。次回泊まるなら僕はそっちで充分、安くあげて少しでも長く滞在して、回りの自然やら温泉を楽しみたいですね。

Comments

やっさん2010/10/01 04:41 PM

おお!酸ヶ湯!懐かしい。
弘前在住の頃、良く日帰りや泊のみで宴会しました!
混浴もいい思い出です!

ish2010/10/01 11:17 PM

やっさん>
気が向いた時にプィッと酸ヶ湯に行ける環境って羨ましいですね。
今なら有馬かな、でも混浴ないもんね。

teru2010/10/02 12:02 AM

酸ヶ湯も行かれたんですか〜、いいなぁ〜!

こちらも前から気になっていて、ぜひ行ってみたい温泉の一つですね。

酸ヶ湯温泉を紹介しているWebSiteやブログ、ほとんどが「お風呂」のみしか扱っていなくて、部屋や料理がどのようなのか、知りたかったんですけど、本エントリーで詳しく紹介して頂いて、感謝感謝!です。

旅館の料理の品数に関しては、激同です!
前々から私も「もうちょっと減らして安くしてくれないかぁ〜」と、思っていました。

※ホヤ、苦手でしたか…(笑)。

ish2010/10/02 05:20 PM

teruさん>
ここで一番気になるのはお風呂なんだけど、写真撮れないからしょうがないのでこういう内容になりました。お風呂の写真撮れたら、この3倍くらいの内容になってたかもしれません(笑)
臭いチーズとか鮒寿司とかクサヤの干物とか、全然OKなんですけど、ホヤはだめなんですよ。発酵系は強くても生臭いのはだめなんでしょうね。

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