【旧】foodish:”雑”食記

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おいなりさん

Posted ish / 2004.12.15 Wednesday / 07:15

おいなりさん.jpg


丁寧なのか親しみを込めているからなのかはよくわかりませんが、関西人はいろんなものによく「さん」とか「ちゃん」付けをします。食べ物で言えば、例えば、「お芋さん」とか「お豆さん」、「飴ちゃん」とか。
そういう習慣の中でもメジャー級の「おいなりさん」は、いなり寿司の事を指す場合と稲荷神社を指す場合とがあります。薄揚げを四角く切ったおいなりさんと三角に切ったのとがあるようですが、僕にとっては三角が標準。こういうのも地域差があるのかもしれません。

おいなりさんの構成要素は、甘く煮上げた薄揚げと酢飯だけ。酢飯の具として何が入っているかというのは、あまり大きな問題ではないような気がします。二つの要素だけで味が決まってくるだけに、ごまかしが利かないし、シンプルでも奥深いバリエーションが生まれてくるのでしょう。
昨今は煮含めた薄揚げと酢飯の素のセットも売られていますが、ありふれた素材を使っているだけに、家庭でも作ろうと思えば作りやすい部類のお寿司のはず。僕の母親の得意料理の一つであったので、献立に困った母が「今日何食べたい〜?」と聞いてきた時には、よくおいなりさんをリクエストしたものでした。

油抜きした薄揚げを甘辛く煮含め、適度に出し汁を含めた状態まで軽く絞り、ボロボロこぼれることなくかといってぎゅうぎゅう詰めにならないよう、一つ一つ手で酢飯を薄揚げに詰めていく。どこか愛嬌のある見かけのおいなりさんをひょいと口に放り込めば、甘くて柔らかくて適度にジューシーな味わいが拡がる。

甘みがあるからちょっとしたおやつ感覚もあるし、僕にとっては、なんだか無邪気な気持ちにさせてくれる食べ物です。どことなく疲れた時や気分的にモヤモヤしている時にも、おいなりさんを食べたらなんとなく自分がリセットされたように感じてしまうのが不思議。
これもお稲荷さん(キツネの方)の霊験かな?

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