【旧】foodish：”雑”食記

もともと旅好きなのにここのところあまり行けてない不満？がたまり、青春18きっぷを買ってしまいました。まず手始めに、去年の11月に行ったけれど今シーズン中にもう一度は行っておきたかった日生に、えて吉さんを誘ってみました。えて吉さんはフツーでは考えられないような距離のドライブを平然とする代わりに、電車は大嫌い。切符買ったりスケジュールに縛られるのが嫌なんだそうです。そうとは知りつつ、「電車旅なら飲める」という最大のメリットをアピールしたら、ちょうど日生に行ってみたかったそうで、あっさり同行OKとなりました。


スケジュールが合ったのが昨日・3月3日。ひなまつりに男2人はなんか気持ち悪いなあとかいいつつ、まずは日生に到着。どこかでカキオコ、そのあと水餃子を食べるってこと以外は事前に何も決めていませんでした。それぞれこれまでに何度か日生に来ているけれど、港そばに車を停めて近くのカキオコ密集ゾーンのどこかで食べる、というのがこれまでのパターン。JRで行くのは初めてなので、今回は駅から港までの間にあるいずれかのお店でカキオコを食べることにしました。


駅から港に向かってブラブラ歩き、相談した結果決めたのが「もりした」。お好み焼にハマったご主人が転身されたそうで、お店の隣には同名の本屋さんが並んでいます。
シーズン中の週末は相当混雑していることでしょうが、平日の開店直後はさすがにゆったりで希望通り鉄板前に座れました。ラッキーと思っていたら、次々とお客さんが現れて店内はあっという間に満員。危なかった〜

お好み焼メニューは少ないですが(写真はクリックで大きくなります)、壁をよく見ると短冊を剥がした後があります。恐らくシーズン中はカキオコ(800円)中心に絞られているのではないかと想像。店内はまだ新しくて明るく、「ハマのお母ちゃん(おねえさん)がやってる年季入った店」って感じとは違った方向性で、都会にあっても全然おかしくない雰囲気です。


千切りキャベツ入り・かなり緩めの生地を鉄板にあけ、形を整えてネギをかけておく一方、カキを鉄板で両面軽く焼いてから載せ、その上から豚バラスライスがかぶせられます。
鉄板で焼かれてもカキがほとんど縮まないのはさすが。これまで日生で食べた時は生地の上に直接ドカッと載せる場合がほとんどだったので、焼いてから載せる一手間にいい予感がしました。また、豚バラスライスはこちらからオーダーしたわけではなく、こちらのカキオコのディフォルトであるところが珍しい。さすが研究熱心と言われるだけあるなあと思いました。


ようやく焼き上がって目の前に運ばれる前に、おかみさんから「半分に切ってそれぞれ醤油とソースで食べていただくのがうちのオススメなんですが、どうされますか？」とのお言葉があり、無論そのとおりにしていただきました。写真左が醤油で右がソース、それぞれ好みで山椒や一味を振って食べてくださいとのこと。

まずとにかく、生地がおいしい。昆布とカツオの出汁で溶いているとのことですが、それ以外に色々工夫されているに違いありません。ベースがおいしいから、僕的には山椒や一味は不要だし、ソースに比べて主張控えめな醤油味のほうがいっそう生地のおいしさが味わえてこりゃゴキゲン。じゃあ全部醤油味にしたいかと言われれば、やっぱりガツンと来るソース味も食べたくなるので、この食べ方はとてもうまくできてるなあと感心しました。
どういう効果があるのか楽しみにしていた豚バラは、予想外にほとんど意識せず。豚の旨味が溶け込んでいい意味で一体化しており、カキのサポート役に回っている感じでした。こんな風に色々工夫が凝らされていて、生地はうまいカキもうまいだから、醤油味でもソース味でもおいしいに決まってます(^_^)b

日生のカキオコの魅力は、カキそのもののおいしさ以外に、お店によっての作り方の違いや街やお店の風情にもあると思います。「小さな港町のこぢんまりして年季が入った店で、ベテランおねえさんが焼いてくれるのを食べる」という、どちらかといえば素朴な路線をこれまで楽しんできましたが、今回は「洗練」とか「細やかさ」(適切な表現ではないかもしれんが)みたいなものを初めて感じました。無論どっちがいいとかいうもんではなくてそれぞれに魅力があるんですが、とにかく、これまでにない新しいカキオコの魅力に巡り会ってしまいました。(また行きたくなるやんか…)

{お店データ}
住所：岡山県備前市日生町日生630-14　電話：0869-72-1110
営業時間：11時〜23時　定休日：木曜（祝日の場合は営業）



もりしたのお好み焼きに大満足し、これだけでも青春18きっぷの元を取った気分になりましたが、日生に来たらこれも食べずにはいられません。「山東水餃大王」で2人前ずつ注文、何度食べてもここのはうまい！

ビールを何本か消化しつつ、次の目的地を相談の後、決定。駅に向かったけれどとりあえず乗ろうと思っていた電車には間に合わなかったので、1時間ぶらぶらと駅周辺をうろつきました。予定通りに動かなくてもいいところが、この手の切符のいいところ。ま、もともと予定そのものがないんですがね。